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優しい君は残酷だ




「味どうかな?」



「とても美味しいです」



「そう?良かった」



この人の笑顔はなんで
こんなにも綺麗何だろう…。




「どうしたの?」



「あ、いえ」



“そう”と言ってまた
食べ始めた。






****





「ごちそうさまでした」



「お粗末さまです。」

 


「あ、俺が洗います!」



「いや、そんなこと
しなくていいよ」



「いえ、それが俺の
“仕事”なんで…」



「そうだね…」




そう、俺がここにいる理由。
それを忘れちゃいけない。





ーー
ーーー




お皿を洗い終わり
することがなくなった。




気が付けばお兄さんは
どこにもいなかった。
しばらく椅子に座って
休んでいると、足音が聞こえて
お兄さんが来たのだと分かる。




「あ、終わった?」




「…はい」




びっくりした。
お兄さんは先程と違って
髪も整えスーツを着ている。
初めて会ったときと同じだ。



「俺は仕事があるから留守番
よろしくね。冷蔵庫にあるものは
好きに使って良いよ、鍵がこれで
出掛けるときに使って。」



「分かりました。」





「じゃ、いってくるよ
8時には帰ると思うから。」




「あ、行ってらっしゃいっ」




咄嗟に言ってしまった。
お兄さんは一瞬驚いたような
顔をしたが直ぐ様戻った。


 

「…うん、行ってきます」




お兄さんの後ろ姿を
扉が閉まるまで見つめていた。








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