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俺の影を追うお前等




「「……………」」



どうしたものか…。
何か言われると思ってたのに
副会長は黙って俺を見つめるだけ。



俺は見つめるのは好きだけど
見つめられるのはどうも苦手だ!!



「ふく「宮野君さ、
暁君のこと大事だよね?」



絶えられなくなり、話そうと
思えば副会長と被ってしまった。



“暁君のこと大事だよね?” 



いきなり何言ってるんだこの人?
暁が大事かってそんなの答えは
決まってるじゃん、



「大事です。……それが何ですか?」



目を見て言えば副会長は
小さなため息を零して
話し出した。



「君が暁君のことどれくらい
大事か分かったよ。
だから、その大事な暁君が
傷つく前に早く場所を教えて?」




は?……え?
誰が傷つくって……
暁が…?



副会長の言葉を理解できず
ただ、言葉だけが頭の中で
何度もリピートされる。



それよりも何で暁が
傷つかなきゃいけないんだよ!? 




「そんなの決まってるよ
暁君が“紅”だからだよ。」



俺の考えてるのが分かったのか
副会長が答えた。



ていうか、なんで俺の考えてること
がわかったんだろう…こわっ



「怖いって…君が声に出して
言ってるんだから分かるに
決まってるでしょう?」



副会長は悪戯っぽく笑って
そう俺に言った。



うわぁ、俺声に出してたなんて
かなり恥ずかしいんだけと!!!



それより、副会長さっき
暁のこと紅って言ったよな?
てことは暁が紅だって知ってるって事?
でも、暁は秘密にしておけって
言ってなかったか?




……あっ、そういえば秘密にして
って生徒会長にだったな…。
んーでも、副会長が知ってるんだから
生徒会長も知ってるはずだよな?



……あれれ
頭ごちゃごちゃになってきた




「1人で考えるのは良いんだけど
早く言わないと暁君が危ないよ?」



「…なんで紅を暁だと
思うんですか!?根拠は?」




「そんなの、本人に
聞いたからに決まってるでしょう。」



「え?…あぁじゃ何で
暁が傷つくって言うんですか…?」



「まだ分かってないみたいだね‥」



「え?」




「俺達が暁君が紅だって
分かってるって事は他の族だって
知ってるって事。特に情報が
早いところは特に。そして
それが紅を嫌ってる連中に
わたれば…もう分かるよね?」



話しは分かったけど…
1つだけ納得でない事がある



「暁は誰かに嫌われるなんて…」

   

良い奴じゃんか!
なんで誰かに嫌われるんだよ?



「はぁ…宮野君って結構…
いや、かなり馬鹿なんてだね。
考えればすぐ分かることだよ?」



なんだよ、バカって
暁にだってバカって
言われたことないのに。
 



「…………」




「嫉妬だよ。醜い…ね。」




「………」



「紅だけに言えた事じゃないよ?
俺達にだってある。
強い奴がいればそれを倒したくなる。
どんな卑怯な手を使おうとも上に
立ちたいと思ってる奴らが
たくさんいるんだよ。
“良い奴”か“悪い奴”の前に
“強い”か“弱い”かなんだよ、宮野君?


そんな理不尽な動機だけで
襲ってくる族は少なくないんだ。


だからさ、そんな奴らが暁君を
傷つける前に早く場所を教えてよ
早くしないと今頃狙われてるかもよ?」




「……っ本当に場所は
知らないです…。」



「そう。あり「でもっ!!」



副会長の言葉を遮った。



「平川先輩とたまり場に
行くと言ってました…。」



「たまり場か…
ありがとう。それじゃ」



副会長は何か納得して
綺麗な笑顔で俺に礼を言い
すぐさま生徒会長の方に
向かって歩き出した。




「待ってください!!
暁は、無事で……っ」




“暁は、無事でしょうか?”



って言おうと思ってるのに
言葉は喉元に引っかかって、
声が出ない…。




何を怯えてるんだ俺は
これは“あの時”じゃないのに…




「宮野…「無事に決まってんだろ!
紅は俺が唯一認めた男。
あいつが簡単にくたばるわけねー
あいつは強いんだよっ!
俺以外の奴にあいつを倒されること
なんてあり得ねー!」




副会長の言葉を遮り生徒会長が
大きな声で自信満々に言った。
言い終わるとすぐさま副会長と
共に出口に向かって走り出した。




俺はただその背中が小さくなるまで
見てることしかできなかった。



何で俺はいつも……っ
“あの時”だって俺のせいで…。





暁。
どうか無事に
帰ってきてくれ…。








ー遊side終わりー














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あきゅろす。
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