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優しいキミは残酷だ



―――――


「終わったよ。残ってるやつは捨てても良いよ。」



荷物を大きなバック2つとリュック1に入れて幹さんがいるリビングに向かった。学校とかで使っていた教科書などは使わないから置いておいた。



「あぁ。じゃあな。」



「幹さん。前から聞きたかったんだけど、俺を誰が引き取るのかってどうやって決めの?」



「あぁ新一と飲みに行った回数が多い奴が引き取る事に決まって、そしたら俺が1番多く飲みに行ってたからお前を引き取る事になった。本当に最悪だよ。」



新一とは俺の父親だ。幹さんは面倒くさそうに話しだした。最後はわざとらしくため息を零した。


「‥‥今まで
お世話になりました。」


軽くお辞儀して荷物を持って家を出ていった。幹さんは最後まで何も言わなかった。



―――――



幹さんの家から駅まで歩いて電車でバイト先に向かった。頼めばまた入れてくれるかもしれない。


しかし行ってみたはものの断られた。もう新しい子が入ったからもう人手は足りてると。


あぁ‥これから
どこに住もうかな?



バイト先に行った帰り近くの公園に寄りベンチに座りながらこれから先の事を考えていた。



(飲みに行った回数…)



はぁ‥あんなんで俺を引き取った場所を決められてたなんて。‥1番飲みに行った回数が多いのが幹さんなら父さんと仲良かったんだよな?なのになんで幹さんは父さんの事を嫌うんだろう?



考えて考えて答えが出るわけもない。幹さんの事も父さんの事も俺は良く知らないからだ。



「ねぇ…
君5万でどう?」



え?
いきなり隣に見知らぬ30代くらいの男性が立っていて顔をニヤニヤにしながら俺の肩に手を置き撫でてくる。



ゾクッ
ヤバい男性の手つきと顔が気持ち悪くって鳥肌が立ってしまった。



「止めてください。」



肩に置かれていた手をどかしベンチから立ち去ろうと思ったけど相手が俺の腕を強く引っ張り俺の身体はバランスを崩し相手の胸に抱き付く形になってしまった。




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あきゅろす。
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