恋はもうできない
7
「……で、俺の後を追ってなんか用か?」
うわぁ…前は薄暗くってきちんと顔見れなかったのに、今見るとすげー美形。
低い声に、茶色の目…真っ黒の髪…ぱっと見てそこらへんにいる芸能人より格好良い…。
そして昔と変わらない真っ直ぐな目…。
その目に俺は助けられたんだ。
「おい。聞いてるのか?」
「えっ?あぁ聞いてるよ!!」
「それでなんの用だ?」
「えっと…その…聞いて欲しい事があるんだ!!」
「あぁ」
ふぅー
大丈夫…大丈夫
「俺と…俺と恋してくれませんかっ…?」
良し!!
言った!!俺は言ったぞ
「は?」
やっぱりいきなりでびっくりしたのかな?
当たり前か(笑)
「好きなんだ!!俺と付き合ってくれ!!」
「……」
「お願い!3年間だけでも良いから!!」
お願い…
3年間だけで良いから
俺に希望を下さい…。
「3年間だけだからな…だから、そんな顔すんな」
その言葉で、自分が泣いてるんだと気づいた。
「……ありがとうっ。」
期間限定の恋人であっても、嬉しくって自然に笑顔になる。
「……っ!?」
「?…どうしたんだ?
それより、お前名前なんて言うんだ? 」
「べっ別に。俺は浪川昊(ナミカワ・ソラ)だ。お前は?」
昊…やっとあなたの名前を知った。
「俺は篠塚裕貴、裕貴って呼んでくれても構わないよ!!」
「じゃ裕貴って呼ぶ。」
「うん!!じゃ、昊って呼んでも良いかな?」
「あぁ。」
メアドを教えてって言って、昊は教えてくれた。
そしてメアドを交換して、その日が終わった。
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