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光が闇に変わる刻
2
染岡と吹雪が同時にゴールに向かって走り出す。
途中で風丸や一之瀬がブロックをしようとするが、それを難無く抜け丁度いい所で止まると未だゴールに向かって走っている吹雪を見た。

「いくぜ、円堂!」

染岡が大きくボールを蹴り上げると同時にドラゴンよりも巨大なワイバーンが地面から飛び出し物凄い勢いでゴールに向かう。
と、染岡の前を走っていた吹雪が染岡のシュートに氷を纏わせると、更にそのままシュートを重ねた。
染岡のワイバーンクラッシュと吹雪のエターナルブリザードを掛け合わせた二人の必殺技、ワイバーンブリザードだ。

氷を纏ったワイバーンは先程の比ではない程の勢いでゴールに向かう。
円堂はタイミングのいいところで右手を上げグッと握りながら後ろに引く。
そして片足を大きく上げ勢いよく地面に下ろすと先程引いた右手を強く前に突き出した。

「正義の鉄拳!」

大きな拳がワイバーンブリザードを食い止めるが、やはり綱海同様技の威力が上がっており、あろう事か正義の鉄拳は破られゴールに入ってしまった。
反動で後ろに転び尻餅をつく。

「見たか、俺達のワイバーンブリザード!」

「やったね、染岡君。」

「あぁ!」

ニコッと笑い吹雪は染岡と腕を組んだ。
尻餅をついた円堂に豪炎寺が駆け寄る。

「大丈夫か、円堂?」

立ち上がらせる為に手を伸ばすと、円堂はその手を掴まず両手を胸の前で握り俯きながら小刻みに震えていた。
その様子に気付き吹雪と染岡も円堂に駆け寄る。

「…キャプテン?」

「おい、どうしたんだよ円堂。」

恐る恐る声をかける染岡の問いに未だ小刻みに震えながら、円堂は震える唇をゆっくりと開いた。




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あきゅろす。
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