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光が闇に変わる刻
6

「鉄塔広……場?」

「あぁー、あのタイヤがぶら下げてある木があるとこか。」

『鉄塔広場』と云う単語に綱海は笑った。

「おっ!よく分かったな風丸!」

「まぁな。何年お前の幼馴染みやってると思ってんだよ。」

「はは、確かに。」

アハハと笑う円堂や風丸たちの話についていけないのか、困った顔をしながら立向居は円堂に向かって口を開いた。

「あ、あの…円堂さん。鉄塔広場って一体…?」

「あぁ、俺の特訓場所なんだ!」

「特訓…場所?」

鉄塔広場と特訓と云う単語がどうにも結び付かず益々困った顔をしながら円堂の言葉を待った。

「あぁ、俺はずっとあそこでキーパーの練習をしてたんだ。ゴッドハンドだってあそこで特訓して、やっと使えるようになったんだぜ!」

「ゴッドハンドを?!」

自分が必死になって覚えたキーパー技の名前が出て、いやそれ以前に憧れの円堂の特訓場所に(今だに鉄塔広場と特訓は結び付かないが)興味を持ちズイッと円堂に詰め寄ると、興味津々と云った様子で円堂を見る。
そして決心が付いたのか小さく頷き声を上げた。

「あ、あの、円堂さん!もしよかったら俺も一緒に行ってもいいですか?!」

「へ?いや…いいけど立向居だって腹減ってるんじゃ…。」

「そんなの我慢します!俺、円堂さんの特訓場所を見てみたいんです!お願いします、円堂さん!」

両手を胸の前で握り締め、立向居は更に円堂に詰め寄った。
一方円堂は立向居に気圧されながらも連れていくべきか止めるべきか必死に考えた。

いつもなら迷う事なく連れていく事を選ぶ円堂だが、今日はサッカーでかなり動いた後なので立向居も相当空腹のはず。(第一円堂も実はかなり空腹状態。)
そんな状態の立向居を連れていき、途中で倒れたりなんて事があったら大変だ、と円堂は考えていたのだ。



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あきゅろす。
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