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光が闇に変わる刻
5
笑い声が響く河川敷の中、ふと思い出した様に綱海は自分の腹に手を当て口を開いた。

「しっかし思いっきり動いたから腹減ったなー。」

ヘヘッ、と笑いながらそう言う綱海に周りの何人かは頷いた。
その様子を見て風丸はふと考える仕種を見せたが、数秒程で何か思い付いたらしく指をパチンと鳴らし周りの皆を見た。

「なら…これから雷雷軒にでも行かないか?」

「お、いいじゃねぇか。もしかしたら響木監督がサービスしてくれるかもしんねぇしな。」

風丸の言葉に同意と言わんばかりに染岡は頷き、周りの皆にも同意を求めた。
しかし吹雪や塔子、立向居と云ったイナズマキャラバンで日本中を旅し集めた仲間たちは当然『雷雷軒』を知らず首を傾げお互いを見つめ合った。

「なぁなぁ、壁山。雷雷軒って何?」

「響木監督が経営してるラーメン屋ッスよ。あそこのラーメン、すっごく美味いんスよー。」

「ふぅん…。」

木暮の言葉に自慢げに答える壁山。
そしてその言葉を聞き吹雪や塔子も頷いた。

「ラーメンかぁ…うん、僕も賛成だよ。」

「じゃあ、あたしもー!」

「勿論ウチも行くで!な、ダーリン。」

「あ……う…う…ん。」
「ハハ、頑張れダーリン。」

リカや(半ば強制的に)一之瀬も頷き、円堂を除いて周りの全員が風丸の提案に頷いた。

円堂が頷いていなかった事に気付いた豪炎寺は円堂には愚問だろうとは思ったが、念の為聞こうと口を開いた。

「円堂、お前は?」

「んー、いや、俺はいいや。行きたい所あるし。」

申し訳なさそうに眉を八の字にしゆっくりと首を横に振る。

そんな円堂の拒否に豪炎寺や周りの皆が反応する前に円堂が来ない、と云う事に少なからずショックを受けた立向居は首を傾げすかさず、その『行きたい所』を聞き出そうとした。

「あぁ…もしかして鉄塔広場か?」

だが答えたのは円堂ではなく風丸だった。



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