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SS
ACT10


そうだ。

今は、俺は、

うん、何だか、

女性だと思っていた一攫千金チャンスの変な都市伝説的ゲームの対戦相手が、まさかのあの橘夕巳さんで、お兄さん、あれ?て感じで、


「まあ、お前はまだ音楽やってるようだし、そこで何年ぶりかの俺が現れて混乱しているだろう。とりあえず、音楽については改めて飲もう。そん時お互い語ろう。
今は、このライアーゲームというやつの話だ。」


お兄さんは懐から黒い紙を取り出して俺に渡す。

そこには対戦相手
『江藤光一(エトウコウイチ)』
写真。



「ってうわああああ!?これ俺の二日酔い後でむっちゃ後悔した免許証の写真じゃん!!うわああああサイッアク!!!」


「………いやいやそこじゃねーだろ………てゆーか今と大してかわんねーし……」

「いや全然違いますって!俺もうちょっとアゴのラインシュッとしてるし!何でこの写真使ったかなー…………」


お兄さんは、ふうとため息をつく。


「お前にも、俺が対戦相手だっつう手紙届いてただろ?」


「…………………はい。」


「どう思った?」



…………………………………………………………。

まさか、何となく知り合いだと分かっても全然思い出せない女だと思って一億ぶん取ろうと思ってたなんて言えない。

そして、お兄さんと分かった今、これは真実だ。


「一億そのままで事務局てのに一億返そうかと思ってました。」


橘さんは二本目の煙草に火をつける。
金マルだ。
ジタンからどんな変遷を経て金マルになったんだろう………


「だろうな。対戦相手がお前という通達が来て、俺も、一気にやる気がなくなった。このままやり過ごすしかないとな。
でも、お前にまた聞く。もし、対戦相手俺じゃなかったらどうする?」



「それは、普通に金取りに行ってましたね!!」



橘さんは、ニヤッと笑んだ。


「安心した。なら、協力体制を組もう。」


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