SS
ACT7
「今考えるとカートとかシドとか呼び合ってたとか相当痛いよな。
まあそれはいいとして、起きてるのも今そこにいるのもわかってるんだ。さっさと開けろ。」
…………………………
………………………………
「………は……、はい!」
直ぐさま鍵を開け、チェーンを外す。
お兄さんは、橘さんはニコッと笑い、部屋に入る。
よくよく見ると確かに、あの、お兄さんだ。
髪型でこんなに違って見えるとは………
髪逆立ててる時しか見たことなかったから。
今更気付いたがこの人は凄く中性的な美形だったんだな。
色々考えている間に橘さんは部屋の奥へとどんどん入ってしまう。
「へえー……………」
そして部屋を見回し、俺を頭から足の先まで見る。
「お前、本当に、全然変わってねーな。部屋も。」
部屋の隅にあるギターを手にとる。
「音楽、まだやってたんだな。」
「はい!俺、ずっと諦めないで今までやってるんですよ!橘さんみたいになりたくて……」
「そうか………。」
橘さんは、眉間に皺を寄せると、ギターを元あった場所に置いた。
「そういや、俺、一応今インディーズですけど何枚かCD出してるんですよ!橘さんに是非とも聞いてほしいです!」
「なあ、此処禁煙か?」
「あ、いえ、俺も吸うんで。」
橘さんは、近くにあった椅子を引き寄せ座り、煙草に火を点ける。煙草は、ジタンじゃなくなっていた。
「………………俺が、何でこんな時間に此処に来たかはわかるだろう?」
………………………………
俺は、久々に会い、話した橘さんにテンション上がって、昔に完全に戻っていた。
そうだ。
間違いないんだ。
そうなんだ。
ライアーゲームの対戦相手は、
橘さんなんだ。
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