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SS
ACT9





―――――――――――――――――――――――――――あれ?………此処は………………………………





「なんでお前が此処にいるんだ」


目の前には秋山の顔が。

あれ?どういうことだ?というか、………秋山?


僕が会いたかった人物………

それより何か寒い、あれ?外?

そういえば僕は、あのバーで眠ってしまったかもしれない。


「………秋山……さん?

ああ、良かった。

僕、秋山さんに会いたくて……」

「………嬉しい言葉だな。」

秋山は、僕の頬を撫でる。

だが、あれ?いや、違う、何が違う?なんだかよくわからないが、僕は秋山のその手を振り払う。


周りをよく見ると、変なゴミ捨て場みたいな場所。スパイダーマンが自分の能力を認識出来てない時に迷い込んだ地下闘技場の外みたいだ。



「………………なんで、僕が此処にですって?貴方こそ何であんな場所に………!?」


秋山は、スーツを着ている。
ガッバーナのスーツみたいだ。
ポケットから、タバコを出し、マッチで火を点ける。

「俺もまさか、此処がお前の父親の会社の傘下だなんて思いもしなかったよ。知った時はビックリしたよ。そんで、今日、いき
なりお前が突撃してくるなんて想像もしていなかったね。」


僕は俯く。何でだろう。
秋山が、意図して僕に関連する職場を選んだと思いたかったのだろうか。


「ヨコヤ。お前みたいなぼっちゃんには分からない理屈が色々あるんだ。関わるな。」

………なんだって!?…………ぼっちゃん!?反射的に僕は、
「貴方こそ、何なんですか!こんな裏稼業なんかに手を染めて!私を散々罵倒しておいて、仏の権化みたいな神崎さんを助けて正義を振りかざしておいて、今はこうですか!?私は、貴方に希望を少しだけども、抱いてたんですよ!」

すると秋山の眉間にはマリアナ海溝も驚きのような深いシワが寄る。
「人間は、元から悪いやつなんかいない、みんなが幸せになる方法はある。それか!?
自分に似ている俺が、そんなエンジェルみたいな神崎の主張を支持しているから、自分も信じてみようて思ったのか!?人間には須らく救い様があるだとか、思ったのか!?似た俺を介して神崎の主張を受け入れて聖人ぶろうとしたいのか!!?」

秋山は僕の胸倉を掴み、叫んだ。

え……………?え!?

一先ずは理解することに勤める。ああ、ああ。


……………確かに、少しそういう気持ちもあったかもしれない、でもいきなりそんなことを叩きつけられてもわけがわからない。

彼は明らかにおかしい。

いや、おかしくなってしまったようだ。

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