SS
ACT5
「……………そんな、馬鹿な……………」
「事実です。…………ですが、神崎さんはフクナガさんと今付き合っているようですね。残念でしたね。」
「はあ!?いや、いやいや、僕別に神崎さんとか好きじゃないですからね!!決め付けたように何なんですかさっきから貴方は!!!」
「え!?そうなんですか!?」
「…………え?………あれ!?フクナガさんて確か………………女性でしたよね!?神崎さん、と……付き合っ!!?」
「フクナガさんは心は女性らしいですが、戸籍はまだ男性のようです。只今戸籍変更申請中!とmixiの日記に書いてありました。神崎さんは女性の方がお好きなようです。フクナガさんは元々は男性が好きだったらしいですが、神崎さんの内に秘められた男らしさに惚れてしまったようです。これもmixiの日記に書いてありました。」
「えええっ!?ちょっと!!」
「貴方が好きなのは秋山さんですか?」
「っ!?え?はっ!?ばっ!ちょっ!!なななななに言ってるんですかッッッ!そんなわけありませんからっ!!いきなり、な、何でそういう発想になるんですかッッッ!もう!なんなんですか貴方はッッッ!」
「………明らかにビンゴですね。
〜〜〜〜 フォルリさん、レロニラさん、ネアルコさん、賭けは私の勝ちですよ。明日までに5万円ですからね。」
遠くで数人の男の声。
「エエエエー!そんなあ!絶対神崎だと思ったのにーッッッ!!」
「彼は恋愛とか興味無いかと……」
「ヨコヤは私が好きなんじゃないのか!!?いや、絶対秋山とかじゃなくて私だってば!ちょっと代わってくれ!!」
うわ、ネアルコだ…
僕は様々な意味で腹が立ち電話を切ろうとする。すると栗藤。
「すみません。ネアルコさんは今フォルリさんが抑えたので大丈夫です。そして申し訳ありません。今少し事務局のメンバーで賭けをしていまして。貴方が好きな人を当てるというのが賭けのネタになっていたのです。不快な思いをさせて申し訳ありません。
只、一つ助言が。
貴方は自分がノーマークな出来事に対しては異常に動揺を出しすぎです。そして、人間は動揺する事象を与えられた直後の質問にはつい本当のことを喋ってしまいがちです。
人を支配したいなら、どんなことを言われようが冷静な表情と言動をいくら動揺しても貫く癖を身につける必要があります。これから頑張ってください。この助言が謝罪の代わりです。」
切ろうとしたら、向こうから切られてしまった。
何てことだ。
ライアーゲーム事務局、奴ら僕を虚仮にして!!どこまで人をナメた組織なんだ!!
僕が好きな人が賭けの対象だって!?ふざけるな!!
僕は飼っているネズミのカラカラをひたすら高回転させてネズミに凄い運動をさせて気分を沈めた。
確かに、確かに、確かに、一理、あるっちゃあるよ。
僕は、頭脳の上じゃ常に先を行っていたはずなのに、此処一番の時に感情のせいでライアーゲームで、勝ちを逃していた……
本当だったら、三回戦で終わっていた…………
部屋を歩き回る。散々歩き回る。
メイドに心配されてもはねつけ、歩き回り続ける。
そして更にネズミのカラカラを回しまくって発散したけども、煮え切らないものが。
……………しかし、しかし、…………………秋山と神崎は付き合ってはいないのか…………
しかも、神崎とフクナガは一応女同士なのに付き合っているんだ………
フクナガは、男が好きだったはずなのに、今、神崎と付き合っている。
だったら、………………僕と秋山が付き合うことは、無しではないしありえないことでもないわけだな。
秋山が、僕を好きになることも、…………無いとは言い切れない。
いや。何を考えているんだ僕は。
僕は顔をバシバシ叩く。そして、枕に顔を埋めて叫ぶ。
「うああああああああああああああああああああ!!!」
またもネズミのカラカラを高速回転させる。
今度は誰も乗っていなかったけど。ひたすら、回転させ続ける。
ネズミ達は怯えたように僕を見て隅っこで固まったが、暫くすると何事も無かったようにヒマワリの種をカリカリ食べ、寝はじめた。
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