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ACT3



深く話したりとかしたわけではない。でも僕は、僕を理解してくれるのは彼しかいないと思ってしまった。感情は違うけど、理屈の上で。理屈でそうなると、いつしか感情も………………

敵対するゲームの中で、彼に対するいらつきが募るごとに。

どんどんそう思ってしまう。





三回戦の時点で、実はそうだった。
負かされて物凄く頭にくる、
だが、

そのやり取りが、僕には初めて感情を剥き出しに出来た瞬間だったのだ。
僕は、こんな顔も出来るし、こんな感覚も持っているんだ……………




そして、四回戦の予選。


彼がやたら神崎を守ろうとしていることに気付いた。


守ろうとしている神崎に対して僕は嫉妬をした。
彼女に対して物凄い憎しみがわいた。

彼女の主張が余りにも偽善じみて腹が立つと同時に、何故彼の隣にいるのが僕でなくお前なんだと。
彼を理解出来るのは僕で、神崎なんかじゃない!




だから、僕は彼女を唯一の敗者にして、僕を只敵としか思っていない彼を苦しめてやろうと思った。

僕はこんなに貴方のことを考えているのに。






そして、敢え無くそれから数回でライアーゲームは終わった。

僕は結果ライアーゲームで得た金を二人に巻き上げられ、

「覚えていなさい。ゲームではこうなったかもしれませんが、貴方達の考えが間違っているのは、これからの人生できっと証明されます!」とベタな悪役の捨てゼリフのようなことを言って離脱した。


もういい!そもそも、僕は男だし、彼の傍にいることなんて叶わぬことなんだ。僕には、輝かしい未来がある。それだけに目を向けよう。

しかし、ある日栗藤さんから電話が。
秋山と神崎によってライアーゲーム事務局自体が休止に追い込まれ、更に、彼等は莫大な賞金を手にしたらしい。


栗藤さんは何でそんな報告をわざわざしてくるんだ!迷惑だ!
「義務ですから。………………………それに、貴方が凄く神崎さんを気にしていたように見えたので。………良かったですね。神崎さんは無事癌で死んだ父親の葬儀を行い、賞金で大学にも通い続けられるようになりました。彼女は院も考慮しているようです。」




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