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ACT2


そもそも、僕はずっと産まれてこの方、恋愛なんていうものを馬鹿馬鹿しいとしか思っていなかった。

どこどこ財閥の娘がしょうもない男と駆け落ちした、どこどこの夫人が使用人と出来てしまい、追い出された、どこどこの息子がしょうもない女にいれあげ、女と結婚したはいいが女は周りのプレッシャーに耐え切れず自殺し息子も後を追い自殺、等の話は幼少期から沢山聞いていた。

そんな話を聞く度、凄く下らないと思っていた。

そんなことをしなければ、確実に裕福な未来を約束されているのに、何でそんなことをしてしまうのだろうか。


結果、僕は恋愛とは馬鹿がするものだという結論に、多分小学生位の時に至っていた。


その考えは恋愛妙齢の思春期と言われる時期を過ぎても続き、今の今まで僕は恋愛というものを一度もしたことがなかった。

両親自体も、恋愛結婚ではなかったし。

父は今の地位を漸く築き上げた時に、お見合いをして、良家の娘で更に見目麗しい母を娶った。

父には幼少期から、「お前は私の会社を二倍にした位から、結婚相手を探せ。それ位なら、良家の綺麗な女を好きなように選べる。まあ、お前は母親に似て綺麗な顔だからな。誘惑は多いだろうが、そこは我慢しろ。」と何度も言ってきた。

だが、僕はそんな誘惑に微塵の魅力も感じることなく、此処までやってきた。





そんな僕がまさか、恋に落ちるなんて馬鹿っぽい言葉まんまになるなんて。

そして、それは見目麗しい美女とかではなく、








細身の筋肉質の男。まあ、顔は綺麗かもしれないけど。

とにかく、頭が凄く良い。

常に僕の上を行く頭の良さ。

悔しい、打ち負かしてやろうといくら画策しても、勝てない。
大学の同級生の渡辺にライアーゲームという良く目的のわからない招待状が来て、彼は負けたらしく、僕に頼ってきた。最近頗る退屈していた僕は食いついた。面白そうだと思い代理参加を決意した。

そして上がった三回戦にて、彼と出会った。

僕の頭の中にはいつしか彼しかいなくなっていた。


彼を打ち負かしたいという気持ちだけが日々募っていた。
彼のことばかり考えるように。


そして、四回戦の予選の時、僕は初めて彼が、凄く僕にとって特別な存在なのだと気付いた。


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