SS
ACT6
そういえば、ケンタッキー。
ケンタッキーは、
高校大学と一緒の親友の荒谷との思い出の場所だ。
詐欺で逮捕される前に、初めて警察にお世話になった場所だ。
ベロンベロンに酔っ払って、カーネルおじさんの置物を電話ボックスに押し込もうとしたが入らないので、自分がまず入って引き込もうとしたらカーネルおじさん詰まる。そして自分出られなくなった。
荒谷が助けを呼ぶために警察に電話したら、二人とも窃盗罪としてあげられそうに。
何とか説明して厳重注意で済んだが。
そんな青春の思い出。
そういえば荒谷は今どうしてるだろう。
最近全然連絡取ってなかったな。
やたらお互い彼女出来たか気にしていたが、今俺は素晴らしい彼女が出来たよ。男だけど、どんな女より可愛いくて魅力的。
その思い出と共に、
最愛の人と今、ケンタッキーの目の前。
これは運命以外の何でもない。
気がする。
親友との思い出。そしてジャンクフードが食べたいという最愛の人ヨコヤ。
「…………ヨコヤ!!ジャンクフードなら此処だ!!!」
「え!?」
俺はヨコヤの手を握り、ケンタッキーに突入した。
結構並んでいる。
ヨコヤは、キョロキョロ周りを見回し、全てに興味津々なようだ。
「秋山さん、席に着かないんですか?というか、この列は何で?」
「ジャンクフードというか、ファーストフードはこういうのが基本なんだ。金を払う配給みたいなもんなんだよ。」
「成る程!だからジャンクとかいう形容詞がつくのですね………」
漸く順番が回ってきたので、一番でかいファミリー用のやつを頼む。
俺とヨコヤは手を繋いだまま。
ヨコヤの手は小さくて白い。
金を払い、レジ脇で待っているとチキンが来る。
ヨコヤを見ると、凄く嬉しそうな顔で「凄く良い匂いがします!」と言っている。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!