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ACT5

「…………そんな貴方が一番の混乱の原因なんですけどね……。何でそんな風に思えるんですかね。
変な人です。色々知れば知る程、貴方への気持ちを自分で理解すればする程、貴方がよくわからなくなりますよ。」


腕を緩め、ヨコヤの顔を見ると、とても困った顔をしていた。でも、目が合うと困った表情を残しつつも微笑む。

俺は心臓を掴まれたような窒息感と共に染み渡る高揚感に包まれる。




怒った顔で恋し始めて、この顔で愛し始めたんだ。





「理屈や理論で解らなくても、感情では解っているだろ?」


「…………ええ。………とても心地良くて、まるで眠りに落ちる時のような感覚です。

凄く無防備で、気持ちが良い。
つまり、幸せです。」


ニッコリ微笑む。
満開の桜のように、暖かく、はっとする程、その景色だけが切り取られたように綺麗で、可愛い。

先程から通行人の冷たい視線を度々感じるが、構わず俺はヨコヤに口づける。

ヨコヤは先程とは打って変わって、それを素直に受け入れてくれる。


少しの時間のキスだったが、二人の間では永遠だ。

ゆっくり唇を離すと、切れ長の瞳は潤んでいる。

こんなヨコヤを見れるのは俺だけだ。

暫くお互いを見つめ合っていたが、ヨコヤが照れながら笑い視線を逸らし、
「…………さあ、帰りますか!」

「……そうだな。」


だが待てよ。



目の前にはケンタッキーが。



ケンタッキー…………………………。



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あきゅろす。
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