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SS
ACT4


「…………………………。

僕は、不満はないんです。
でも、確かに、



まあ、ちょっといきなり爆発し過ぎたかもしれません。


それは…………


ごめんなさい。

でも、なんか、こう、恋人同士として凄く普通のことをしたいと思っていて、…………
僕は、所謂成金の息子なので、色々よくわからなくて………
秋山さんの家に来てからワイドショーとかドラマとか色々初めて見たんですけど。

ジャンクフード食べるデートとかが普通みたいで…………

ライアーゲームで色々あって、貴方を気にするようになって、そして貴方に好きだと言われて僕も好きなんだって気付いて、今幸せだし、満足しています、多分、今までの人生の中で一番満たされています、

………沢山の人間を支配している時よりも。

でも、なんかモヤモヤしてしまって。知らないことやわからないことが多過ぎて。すみません、何言ってるのかわかりませんね……」





……………………………………………。



ヨコヤはふうと一つ息を吐くと首を振りながら顔を手で被う。




………………………………………………


ああ、そうなのか。

そうだよな。


ヨコヤはずっと金持ちの家庭で育っていた。
俺とは全く違う世界で生きいて、今の二十歳になるまで、その世界の常識が全世界の常識だと思って生きていた。


でも、ライアーゲームを経験し、最大の敵であった俺が告白してきて付き合うことになり、庶民である俺との生活や恋愛にて莫大な新しい情報が入ってくることとなり、そして今に至る、

色々常識、理想、現実の認識が収拾つかない風になってしまっているのだろう。そして今までずっとそれを隠し続けていた。

なんて健気なんだ。


俺はそんな考えを巡らせると、余りにもヨコヤが愛しくて仕方なくなり、人目も憚らずにヨコヤを抱きしめた。



「ちょっ…ちょっと!秋山さん!こんなところで何するんですか!!」

ヨコヤはバタバタと暴れ出すが、更に力を込めて抱きしめる。

「………大丈夫だ。全部ゆっくりでいいしな。それに、俺はお前が今までのお前のままだとしてもちゃんと好きだから。」


「………!…………………。」


ヨコヤは暴れるのをやめる。

そして、ため息をつくと背中に腕を回し、頭を俺の胸に預ける。



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