SS
ACT2
「ジャンクフードが食べたいです!!」
付き合って二年目、ある日ヨコヤが「今日から僕此処で暮らしますから!異存はないですよね?」と俺のマンションに来てから一年目。ライアーゲームのあの攻防が嘘のように凄く何事も無く平和に暮らしていた。
そしてそんなまま今日、二人とも休みの日、DVD見ながらまったりと過ごしていると、突如ヨコヤが立ち上がった。
DVDもエンドロールに差し掛かったところだったのだが。
さっきまで隣にピッタリくっついていたのがいきなり立ち上がるので、ビックリする。
「ジャンクフード……?何で??」
ヨコヤは何故か不満そうな顔でこちらを見ている。
「とにかく、なんか体に悪そうなものが食べたいんです!」
「……………何で?腹減ったんなら適当に作ればよくないか?てゆーか何で体に悪そうなものを………」
ヨコヤは更に不満そうな顔をする。
「とにかく僕はジャンクフードが食べたいんです!全然食べたことないですから!」
「そうなの?」
ヨコヤはそういうといきなりフンッとそっぽを向いて玄関につかつか歩いていってしまった。
俺は仕方ないのでヨコヤの後を追う。
ヨコヤは何でか怒っている。俺を撒こうとしているレベルで早足、そして全力疾走し始める。
「おい!何そんな怒ってんだよ!!」
俺も仕方ないので全力疾走で追いかける。
そうするとすぐに追い付いてしまい、俺はヨコヤの腕を掴む。
「せめてジャンクフードつっても何食いたいのか言ってから飛び出せよ。」
ヨコヤは全力疾走が辛かったらしく息を荒くしながら止まった。
「……はあ……ふう………。
………………………。
……………大体ご飯て作るじゃないですか。秋山さんが作ったものは美味しいし、僕が作ったものも勿論美味しいですけど、
たまにはそういうジャンクフード的な適当なものが食べたいと思ったんです。
まあ、食べたことないから味は知らないんですけど。」
「………ヨコヤ。そんなんで怒って走り出したのか?」
「……………………はい。」
ヨコヤは眉間にシワを寄せながら何とも言えない表情で俺を見上げている。
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