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SS
ACT1
ヒョウ柄のジャケットにジタンとハーレーのジッポーをポケットに忍ばせる。

何一つスタイルは昔から変わっていない。

多分14位の時から。

物置で親父のアコギを発見したのが俺の音楽人生の始まりだった。
当時、持て余したエネルギーをどこにぶつけていいか分からないでいた俺は、突如目の前に現れた音楽というものに即効没頭した。

最初は親父が好きだったビートルズ。


今でもたまに聞く。


だが、当時荒くれ者だった俺にビートルズはすぐに物足りなくなった。
彼等にお利口さんの匂いを感じて、「これじゃない」と思った。マッシュルームカットにスーツなんてな。

そこでたどり着いたのがピストルズ。
隣の家のお兄さんがCDを貸してくれてハマった。

髪を逆立て、革ジャン着ていたお兄さんは当時の俺に多大な影響を与えた。

今そのお兄さんが何しているかは全く分からないけど、きっとカッコイイ大人になっているんだろう。


俺はそんなまま、31の歳を迎えようとしている。


お兄さんに憧れ、お兄さんの憧れだったシド・ヴィシャスに憧れ、気付けばシドの死んだ歳から10も歳食ってた。


未だに音楽を諦められない俺は大人として失格だろう。

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