戦線☆Brother
2
そんなこと考えながら俯いていると、顔を両手で挟まれ、上に向けさせられてアニィの顔が視界一杯に・・・
「って、何してんだよおまえは」
「イテっ!」
近づいてくるアニィの顔にチョップ。
コイツはしょっちゅうこーゆう冗談をする。
「だって、おとちゃんが寂しそうにしてるから、誘ってんのかと思って・・・」
「いやいやいや。おまえ、それはないって」
「えー、オレはおとちゃんのこと愛してるのに〜」
ぶー、とむくれるアニィを見て、ふと考える。
――違う学校に行くってことは、会う時間が極端に減るんだよな・・・
普段、同じクラスってのもあってとても長い時間一緒にいるのだ。
しかし、それも終わるんだと思うと少し寂しく感じる。
――何だかんだで、一番世話になってたもんな・・・
「なぁ、アニィ?オレにして欲しい事ある?」
今までの恩返し、とでも言えばいいのだろうか?
ともかく、何かしてあげたい、と思った。
「え・・・?
だったらちゅー!おとちゃんにちゅーして欲しいなぁ〜、なんて!」
「ちゅー?」
何故?とは思ったが、別に減るもんじゃないし、唇じゃなければいいか、と思ったので・・・
チュッ・・・
と、頬にしてあげた。
ちらりとアニィを見ると・・・・・・
無表情のまま固まっていた。
「アニィ?」
心配になって、声をかけてみると、アニィはみるみる顔を赤くし、「おやすみ!」と言うと部屋を出ていってしまった。
・・・・・・・・・何なんだ?ι
しばらく扉の方を見てから、オレはまた再び参考書とにらめっこするのだった。
5月になったら、絶対転校して、今度こそ明るいハッピーライフを掴んでやるんだ!!
[*前へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!