戦線☆Brother
2
しかし、そんな気分もあっという間に消え失せてしまう・・・
ザワ・・・・・・
『あれが噂の転校生?』
『カッコいい・・・』
『隣のあれ、何?』
寮を出た瞬間からこの通り。
ただでさえ転校生って事で注目されるのに、さらにそこに美形という要素が加わり、好奇の視線が向けられる。
・・・・・・・・・・・・もちろんアニィの話。
オレはといえば、モノ扱いですよコンチクショー・・・
「チッ・・・どいつもこいつもおとちゃん狙いかよ・・・散ればいいのに・・・」
ちょっと誰かー。
このお腹真っ黒な勘違いさんどうにかしてー。
「アァァニィィィィイィィィッ!!!!」
騒めきが収まらない中、突如響いた地を這うような低い声ともの凄いスピードの足音が聞こえてきた。
「こんの腐れ下道がッ!!
朝から妙に凪が絡んできよる思とったらこーゆー事かいッ!!」
「悪い亜仁・・・・・・りょんが気付いちゃったみたいで・・・」
「チッ・・・後ちょっとだったのに・・・」
アニィの胸ぐらを掴むりょん。りょんの後ろで申し訳なさそうにしている青年。凶悪な顔でりょんを睨むアニィ。
んでもって、
「何がどうなってんの・・・」
何が起こってるのか全く分からないオレ。
さっきも騒がしかったが、アニィ、りょん、青年と、美形が3人も揃った今、騒がしさは更に増す。
その時だった・・・
『ヤベェ・・・来た・・・・・・』
どこからともなく聞こえてきた声に、あれだけ騒がしかった周りが少しずつ静かになっていったのは・・・
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