戦線☆Brother
2
声のした方に顔を向ければ、興奮気味にクラスメートらしき男が話し掛けてきた。
「なぁ、おまえ兄弟いる!?」
「へ!?」
何でそんなこと聞くんだ?てかアニィのこと知ってんのか?え?えぇ!?
「確かにおとちゃんに兄弟はおるけど?それがどないしたん?」
プチパニック状態のオレの代わりに答えてくれたりょん。
それを聞いた男は更に興奮した様で、声を大にして叫ぶ。
「やっぱりー!!」
や、やっぱり?
あー・・・そうなんだ。オレ兄弟いそうな顔なんだ。うん!!
絶対そうだ!!
「さっきさ、例のもう一人の転入生見て来たんだけどさ!顔はすんげぇ美形だったけど・・・」
あはははは!!
美形なんて何処にもいるじゃないか!!
オレには関係ない関係ない関係ない関係ない関係ない・・・
「名前が特徴的でさ!」
NA・MA・E☆?
何それ、食えんの?美味しいの!?それ加えたらもっと美味しいお菓子が作れんのォ!!!!!??
完璧現実逃避中のオレが耳を塞ごうとしたその時、
教室の外が騒がしくなった・・・
『うぉっ!スゲー、モデルみてぇ・・・』
『ちょっ!ヤバくない!?』
『さっそくファンクラブ創らなきゃ!!』
その騒がしさはどんどん近づいてきて、とうとううちの教室の前へ・・・
通り過ぎて欲しいと願いまくったが、それは無情にも、この教室の前で止まった。
「まさか、な・・・ι」
りょんが口元を引きつらせながら教室のドアを見る。
オレは冷や汗を滝の様に流し、ドアに向かって「開くな」「開かないでくれ!!」と、呪文の様に唱えていた。
が、次の瞬間―――。
ガラッ
扉は開き、この場に現れて欲しくない人物が現れた・・・・・・
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!