一喜一憂 5 そのあと礼をしてから校長室を出た。すると、久米さんが待っていた。 「…えへへ、久米さん、おかし、もらっちゃいまし…た……」 突然、一瞬意識が飛んで、体が一回転したような感覚に襲われた。ふらついて、さっきもらったお菓子の箱も床に落としてしまう。 でも久米さんが支えてくれた。 「うお、っと…え、みうら、大丈夫?」 久米さんの腕にぶら下がるみたいな体勢だから、胸が苦しくて声が出ない。 大丈夫です気にしないでください 声にならないな〜(笑)なんて思っていると、俺の名前を何度も呼ぶ久米さんと、それをききつけてきた校長先生の声がきこえた。 あれ、今俺、校長先生に心配されてる? 俺は幸せな気持ちで、 死んだ。 [前へ] [次へ] [戻る] |