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一喜一憂
3
久米さんがだんだん俺に近づいてくるものだから、すこしたじろいでしまった。


「ってか、溜まってんだったらほかの、っんむ」

喋っている途中の半開きなくちに舌を突っ込まれ、くちの中をなめられる感触にぞわぞわした。

座っている俺に上から立ってる久米さんがかがんでしてる体勢だから、なんかもうわけがわからない。

さっきのチョコソースが口の周りに広がってる気がする。

舌のざらざらした感触は妙に生々しいし、疲れ切った俺は放心状態だった。



「んっ、、んむ…っ、久米さん、っごほっ」

「なんでって、きく?」

「なっ、んでほんとに、するんですか」

「いいよっつったじゃんけ」

「じょ、冗談だと思って、」


口の周りについた唾液をシャツでぬぐう。
貞操概念があまりないので、そこまでは嫌悪感は抱かなかったけど、べとべとするし。


「俺みーちゃんの鼻好きだから、高くて。俗にいう鼻ふぇち?みたいな」

鼻をつままれて、変な声のまま喋る。

「…鼻高い人ならだれでもいいんですか」

両親が日本人なのに、なぜか鼻が昔から高かった。きっと祖父祖母が外国のひとだったのだろう。

「みーちゃんだけよ、ていうかみーちゃんも年上ならだれでもいいんじゃね?」

「違いますちゃんと照準しぼってます」


【40代後半以降の男女】ってな。


「みーちゃん、俺ら付きあお」

「……は」

「俺ギリギリみーちゃんより年上じゃん?で、俺はみーちゃんの鼻好きだし年下好きだし。で、生徒会同士だから親衛隊がらみの事件もないし」

「いや、俺好きな人いるんで」


また質の悪い冗談を。ていうか久米さん若いから。

鼻をつまむ指の力が強くなり、思わず声を上げる。

「いたいいたい、っ久米さん、ッ」


やっと指を離してくれた。


「…誰よ」

「校長先生」

「何ソレ…。いいよ、…好きな人いてもいいから。付きあおーよ…」


なぜか照れて顔を隠す久米さん。


「…なんですか、特定の恋人つくれなくてさみしいんですか」

「…ちげえよ。俺みーちゃんのことガチで好きだから」

「あーありがとうございます」

「冗談じゃねえって」

「久米さんはそっちのひとなんですか」

「やー、両方。てかお前もお前で、嫌がらない分質悪い」

「嫌じゃないですし」

あぁ、そうなんですね、程度だから別に嫌というほどではないですし。ですしですし。

「はァ!?変な期待させんじゃねーよばか!
…で?どっち、付き合うの付き合わないの?」

なんでこのひとこんなに上から目線でものをいうんだ。

「別に、今も付き合ってるようなもんじゃないですか。お互い書記同士だし」

「ちがうし…!こいびとになりましょっていってんじゃん〜…」


なんだこいつ。でもまぁ顔だけはかっこいいしなぁ。
しかも校長先生はかなわぬ恋だし、。


「いいですよ」

「マジ?」

「でも、俺校長先生が好きなのは変わりませんよ」

「いいよ!俺のこと好きにさせてやるから」


どこからくるんだその自信は…?


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あきゅろす。
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