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過去拍手(鬼ごっこ)
年末番外編


外はしんしんと雪が降り積もっている。稀にみる大寒波のせいで昨日の夜から降り始めた雪は未だに止む気配がない。

「太陽、こっち来い。」

窓辺に立って外を睨みつける勢いで見ていた太陽を呼ぶとようやくこっちを見た。

「朔先輩…」

眉を八の字にしてゆっくりとこっちに向かって来る姿はまるで主人に叱られた子犬のようで思わず笑ってしまいそうになる。

クリスマスなど関係なく部活があった太陽が年末年始に連休ができたからと久々に一緒に出かけることにしたらこの様だ。

太陽は残念がっているが俺は別に良いと思う。寒いのに外に出るのは好きじゃねぇし。

太陽の手を取ると窓ガラスに触れていたせいで冷たくなっていた。

「バカ。冷えてるじゃねぇか。」

「だって…。」

「ったく。ほら。」

まだ外に未練がある太陽を引っ張り、膝の上に乗せて抱きしめてやる。

「俺はこうしてる方がいいんだけど?」

耳に唇を当てたまま言ってやると太陽は一瞬で顔を真っ赤にさせて。俺の腕をきゅぅと掴むと、

「オレもです…」

そう小さく呟いた。

あぁ、本当にコイツは…。

しばらく太陽の小さな体を抱きしめ続けた。



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「朔先輩って眼鏡かけるんですか?」

「ん?あぁ、授業中だけな」

胸ポケットにいれたままの眼鏡を発見して太陽が聞いてきた。

「朔先輩かけてみて下さい!」

はぁ?と思うけど子犬みたいなキラキラした目で見てくる太陽に逆らえず、かけてみると。

「朔先輩格好いいっ!すごく似合います!」

頬を染めて興奮気味に繰り返しながら言う太陽は主人に尻尾をふる子犬にしか見えない。

格好いい、格好いいと連呼されてジワジワ照れが溢れてくる。

「もういいだろ!」

「えー!取っちゃうんですか?あ!オレかけて良いですか?」

「良いぞ。ほら、」

太陽は眼鏡を受け取ると、顔を下に向けて眼鏡をかけてからパッと顔を上げた。

「どうですか?」

「っ!」

「似合ってますか?」

これはやばい…。

がらりと雰囲気が変わった太陽はいつもの明るい感じから知的な感じに変わってて。

眼鏡が少し大きいせいかズレたその間から上目遣いに見てくる姿がたまらない。

思わず誘われるまま、太陽の唇に自分のそれを重ねる。

「せんぱい…?」

「邪魔。」

きょとんとした太陽から眼鏡を取ると、もう1度唇を重ねた。

「んっ…」

眼鏡な太陽もいいかもしれない、と思いながら。




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あきゅろす。
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