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蜂蜜シュガー
さん

にぃ

いち…

キーンコーン
カーンコーン


チャイムが鳴ったと同時に僕はカバンをつかんで走り出した。びっくりしてるクラスメートにバイバイって言って、走る。
玄関についたらげた箱から靴を取り出す。
靴をはきかえるのももどかしくって仕方がない。でもこの前引っ掛けて走ったら見事に転けちゃったからしっかりと靴をはかなくちゃ。

よし!靴ヒモもしっかり結んだ。僕はカバンを持ち直してまた走り出した。

さっき、授業が終わる数分前に来たメール。

『駅前の本屋で待ってるよ。』

それだけのメール。でも嬉しくって嬉しくって。
早く、逢いたい。

高校から駅まで歩いて15分掛かるけど必死に走って、なんとか8分で到着。

本屋さんに入る前に息を整えながらガラスを見て髪の毛を直す。と、その時レジの前にいる学生服の男の人を見て、僕は走って本屋さんに入った。

せっかく髪の毛直したのに。ダメじゃんって思うけど、でももう止まらない。

こっちに背中を向けてる男の人に飛びついた。

「さとちゃんっ!!」

「ぅ、わっ…!」

一瞬だけ前のめりになったさとちゃんは、それでもすぐに体制を持ち直して、僕の方を振り向いてくれた。

「拓海。走ってきた?ほっぺ真っ赤だし髪の毛ぐちゃぐちゃ。」

「だってね、だってね!さとちゃん!早く逢いたかったんだもん!!」

グリグリって背中に頭を押し付けてさとちゃんを充電。ほんのり良い匂いのするさとちゃんの制服に鼻を押しつけてスーハースーハー。

「こら、拓海。何してる?」

べりって剥がされちゃった。やだな。もっとくっついときたかったのに…。

「こっちが先だろ?」

何が?って聞こうと思ったらチュッて。チュッて唇にチュー。

「さとちゃん…っ」

「拓海…」

「ごめんね!おかえりのチュー忘れるなんて!!」

僕のバカ!次は正面から抱きついた。9時間47分ぶりのさとちゃん。

「あ、の…」

会えなくて寂しかったよ。ほんとは一緒の高校行きたかったけど僕たちにはそれぞれしたいことがあるから別々の高校に進学。

「はい?」

「えっと、皆木君そちらは…?」

さとちゃんカッコいいからきっと学校でモテモテなんだろうな。やだなぁ…。

「ん?俺の恋人です。可愛いでしょ?」

「え…あ…そうなんだ。あははは…。」

でもでも!さとちゃんは僕のなんだから!

僕はさらに強くさとちゃんに抱きついた。

「拓海?」

「ぅ?なぁに?」

「こちら同じ高校の先輩でサッカー部のマネージャーさん。」

目の前にいる女の人2人を順番に紹介されて、僕はペコッてお辞儀。スゴく綺麗な人たち。しかも僕より身長高くて下から仰ぎ見た。

「先輩、こちらが俺の恋人の拓海です。だから手出しちゃダメですよ。」

チュッておでこにチューされた。えへへ。さとちゃんとラブラブ!

「……皆木君、あのさ。とりあえずレジの前から移動しない?」

「あ、本当ですね。邪魔してすみませんでした。」

先輩さんの一言に外に移動。レジのお姉さんがびっくりした顔で僕たちを見てたなんて全然気づかなかった。だって僕にはさとちゃんしか見えないもん。

「じゃあね皆木君。また明日。恋人さんもまたね?」

店の外に出たらすぐに先輩さん達とお別れ。バイバイって手を振って、片方の手はさとちゃんと恋人繋ぎ。さとちゃんの手って大きくて、包まれてるみたい。

「へへ、さーとちゃん!」

「ん?どうした?」

「あのね、あのね!僕さとちゃんのこと大好きっ!」

くふふ、ってなっちゃう。さとちゃん少しびっくりした後にっこり笑ってまたおでこにチュー。

「俺の方が好き。」

耳に口をつけたまま囁くように言うさとちゃん。ぺろんって耳も舐められちゃった。

「ひゃっ…!」

「かーわい。早く帰ろっか?」

絶対今、顔真っ赤だ。さとちゃんは時々意地悪。でもそんな所も大好きっ!



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先輩side
皆木君のあんな顔初めて見ちゃった!皆木君かっこいいけどいっつもクールでさ、学校ではあんな顔しないよね!

え?ほら、あのとろけるような微笑み!恋人のこと好き好き〜って全身から溢れだしてたし!

見てるこっちが恥ずかしかったよね!

あと皆木君の恋人さん。拓海君だっけ?超可愛かったよね!!

目くりくりだし、まつげバサバサだし。肌なんかスベスベしててかんっぺき負けてるよね、私たち!あれで何もしてないなんて信じられないよね。
なんだろ、子犬っていうか子猫みたいな感じ!
だよねー!!

え?そりゃちょっとは驚いたけど、皆木君とあの子ならありかな!男同士でもあれだけ好きあってるなら、ねぇ?
そうそう!お似合いだったし!!私絶対応援しちゃう!!

明日皆に自慢しちゃおっと!



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溺愛攻めと天然子受け。
ひたすらいちゃいちゃ!

090131



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あきゅろす。
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