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三村浩介が羽山五月を見たのは桜が舞い散る入学式でのことだ。
片手で掴めそうなほど小さな顔に、長い睫に縁取られた涼しげな目元。どこか他人を寄せ付けない冷めた雰囲気を持つ五月に目を奪われた。
その時は綺麗な男がいるものだと思っただけだった。
思いがけず同じゼミになっても特に接触はなかったのだが、何時だったかふとした拍子に五月が自分のことを見つめているのに気づいた。
男に見つめられても気持ちが悪いだけなのにあの涼しげな目が自分を見るときだけは熱を持っていることに嫌悪感はなかった。
それどころか見つめてくるだけで決して声をかけてくる事のない五月を何故か不満に思っていた。
浩介の周りにいる女たちは我先にと言い寄ってはまとわりついてくるのに五月は一歩下がり近づく事さえしない。
そんな五月は新鮮で、けれどどこか腹立たしくて気づけば浩介も五月を目で追うようになっていた。
そんな状況がしばらく続く中、夏休み直前のゼミコンで浩介と五月は隣同士になった。
ふと隣を見ると酒のせいでほんのりピンク色に染まった頬に潤んだ瞳の五月。
それを見た瞬間、ドクン、と心臓が大きく脈打ったのと同時にもうダメだと浩介は思った。
五月を引きずるように店から連れ出し、人気のない路地裏に連れ込むと逃げれないよう腕で檻を作った。どこか怯えた表情の五月にどうしようもなく高揚して、ゆっくりと口を開いた。
「羽山って俺のこと好きなんだろ?」
一瞬固まったかと思うと次には顔を真っ赤にして焦る五月に、浩介は好きだと告げた。
男相手に何を言ってんだ、と頭の片隅で思いながらも、五月の可愛すぎる告白にゆっくりと唇を近づけた。
夏休みに入ってから1ヶ月ほどたった頃。浩介は五月を抱いた。
同じ男のものだというのに五月の体はどこもかしこも綺麗で、触るとしっとりと吸い付き舐めると甘くさえ感じた。
時折漏れる声はちゃんと感じている証拠なのだと思うと愛おしくて、更に浩介の欲望を煽った。
まるでセックスを覚えたてのガキのように五月の体に溺れて。片時も離したくないとさえ思う自分に苦笑を漏らしながらも五月を掻き抱いた。
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