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初めて体を繋げてから3日間、浩介は五月の体を心配してか手を出してこなかった。

けれど4日目。五月はまた浩介の逞しい腕の中で揺さぶられ声を上げていた。

強すぎる快感に五月は涙をこぼしながら、浩介の欲望を受け止めた。

それから3日と開けず浩介は五月の体を求め、五月は新たな快感を体に教え込まれた。

それに伴いベッドの中で囁かれるのは甘い言葉よりも五月の羞恥を煽るような卑猥な言葉ばかりで。

少し前なら2人で買い物に行ったり家でゆっくりビデオをみたりしていたが、ここ最近デートらしいことをしていなかった。

もっぱらベッドの中で体をあわせ、疲れ果てて眠る。

五月はそんな関係に切なさを感じていた。

次の日にバイトがある時でも浩介は五月を激しく責め立てるので、五月は体に鞭を打って働いていた。

そんな五月を浩介は不服に思っているらしく、五月はバイトを減らして欲しいと言われたことがあった。

五月はそれに首を振った。やりたいことの為にお金がいるのだ。

だから稼ぎ時の今、バイトを減らすことなど五月には考えられなかった。

それに浩介は不満そうに五月を見ていたが、結局は諦めたようで何も言わなくなった。

それからだと思う。五月と浩介の仲がなんとなくギクシャクしてきたのは。

行為が終わった後はどこか素っ気なく、五月の目が覚めても隣に浩介はいない。

日中2人でいても交わされる会話は少なく、なんだか気まずい雰囲気が漂っていた。

何がいけなかったのか、五月は分からなくて対処のしようもなかった。

けれどこのままではいけないと思い、五月は夏休み最終日、思い切って浩介に聞いてみた。

「あのさ、オレ、浩介に何かした?」

人付き合いの下手な五月は不安を胸いっぱい抱えて質問したのに浩介は素っ気なく

「別に」

と答えるだけだった。

それが余計に五月の不安を煽り、涙がジワリと溢れてきた。

それでも五月は手を握りしめて浩介を真っ直ぐ見つめた。

「も、もし、オレに悪いところ有るならはっきり言って欲しい……」

「……五月はさ。……五月は、本当に俺のこと好きなの?」

そんなこと今更だ、と思いながら五月は正直に答えた。

「好き、だよ…」

この言葉に嘘偽りはない。

好きでもない男に抱かれるなんて五月には到底出来ない。

浩介が相手だからこそ抱かれるのだ、と五月は心の中で訴えた。

「それって、本当に恋愛感情?」

「え?」

「だってさ、エッチを誘うのはいつだって俺だし、いざしようとしても五月は嫌がるじゃないか。それに、俺はいつだって五月といたいと思うのに五月はバイトだし。てか、本当にバイトなの?」

「な、に言って……」

浩介の言葉は余りにもショックだった。

確かにするとき五月は嫌がってしまうけど会う度に求められれば嫌になる。

もしかしたら体が目的なんじゃ、と不安にかられてしまう。

それなのに浩介はまるで五月が悪いと言わんばかりの口調で、五月を責めたあげく、五月を疑ってきた。

これに五月は本当に堪えた。

疑われていたなんて…。余りのショックに五月は喉が貼り付いたように声が出せなかった。

「何も言わないってことは、俺が言ってることは正しいってこと?」

「ち、違う!た、確かに嫌がったりしたけど、でも、エッチすることだけが、恋人じゃない…と思うし…」

もっと2人の時間を作りたい、とは浩介の目が怖くて言えなかった。

初めての恋人との険悪な雰囲気に五月は緊張して、今にも泣きそうになっていた。

「バイトは、…仕方がないよ…。そ、それに…オレが好きなのは、浩介だけだよ。」

震える声で何とか紡いだ言葉は、ちゃんと浩介に届いたのか。

五月は恐る恐る浩介を伺った。

浩介は不機嫌そうに顔を歪めて、溜め息をついた。

「つまり五月は俺とするのは嫌だけど、俺のことは好き。心が繋がってれば良いってこと?」

投げやりな浩介の言葉は少し違う気もしたが一番大切なのはお互いの気持ちなのだからと、五月は頷いた。

「そう、分かった。もう五月とはしない。」

「え…?」

唐突すぎる浩介の宣言に五月は目を見開いた。

けれど浩介はそんな五月には目もくれず立ち上がると、ズボンのポケットに財布をつっこんだ。

「五月、もう帰ってくれる?俺、今から出かけるから。」

有無を言わせぬ冷たい言い方に五月は、それでも涙をこらえて立ち上がった。

本当なら仲直りして、一緒にご飯を食べたかったのに…。何をどこで間違えたのか。

五月は家に帰ってからひとりで静かに泣いた。


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あきゅろす。
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