WJ
chase〜追手〜
【chase】
〜追手〜
「うをっ!?」
夜の街をブラブラ歩いていたら背後から腕を掴まれ、路地裏に引き込まれた。
「何だテメェ!」
怒鳴り声と一緒に犯人を睨み付ける。
「こんばんわ。」
目の前に居たのは…。
「い、市丸…ギン…。」
サーッと血の気が引くのが分かる。
「あ、僕のこと知ってはるんや。光栄やわぁ。」
知ってるも何も、四神会の藍染惣右介の右腕として悪名高い市丸ギンを、こっちの世界を囓ってて知らない奴の方がおかしい。
「ボーッとしてどないしたん?阿散井恋次クン?」
なっ!…んで俺の名前を!?
ニタァ、と笑みを作ると首に鋭い切っ先を当てる。
…初めて見た。
四神会の幹部だけが持つことを許される特殊な刀、斬魄刀。
それを見た者は必ず命を落とすと言われている…。
全身から嫌な汗が吹き出すのが分かる。
「ボクなぁ、君のこと…」
〜♪〜♪
突然、場違いな音が流れて来た。
「もしもし!どないしたん?」
奴が携帯で話してるスキに逃げようとするが…。
全くスキを見せてくれない。
「ん?まさか!ちょっと散歩しとるだけやよ。」
嘘吐け!今まさに俺を殺そうとしてるじゃねぇか!
「えっ?ホンマに!?すぐ帰る!すぐ帰るから!!絶対残しといてや!!」
素早く携帯を切ると、刀を鞘に納める。
「大切な用事入ってもたから、またな。阿散井クン。」
そう言うと奴は嬉しそうに去って行った。
……何だったんだ?
++++++++++end+++
2006/2/19
▼電話の話し相手
「もしもし!どないしたん?」
『いや、ギンの帰りが遅いからまた何かやらかしてるのかと思って…。』
「ん?まさか!ちょっと散歩しとるだけやよ。」
『そうか。ならいいんだ。今日の…うわっ!やちる!?』
『今日のデザートはいっちーの手作りだよ!』
「えっ?ホンマに!?すぐ帰る!すぐ帰るから!!絶対残しといてや!!」
++++++++end++
←→
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!