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WJ
月華【浦原×一護?】
※月下美人続編


それは酷く、鮮明で…


【月華】



「黒崎サン、好きっスよ。」


甘く囁き、軽いキスをする。

いつもならここで顔を真っ赤にし、怒鳴る一護が今日は静かだ。


「黒崎サン?」


手を伸ばし、前髪に触れ、見た目よりも断然柔らかな橙の髪を指先で弄る。


「……りぃ…。」


「え…?」


「気持ちわりぃ。」


バシッと手を叩き落とされる。


「照れ屋サンっスね。」


そんな姿も可愛らしい、と再び手を伸ばせば、スッと避けられる。


「触るな。」


何時に無い低い声で拒否をされ、僅かに眉間にシワを寄せる。


「お前に触られると虫酸が走る。」


吐き捨てるかのような発せられた言葉には嫌悪が確かに含まれていて。



「黒崎サン…?」



漸く一護の様子がおかしいと気付き顔をしかめ、それでも近付こうとすれば背後から…。



「それ以上近付かないでもらおうか。」


現れたのは黒い死覇装と白い羽織を身に纏い、髪を後ろに撫で付けた男。



「なっ、藍染!何の用スか!」



この裏切り者がっ、と言いながら一護を守るように斬魄刀を構える。



「迎えに来ただけだよ。」



藍染がひどく嬉しげに笑ったかと思うと、橙色が浦原を横切り目の前の裏切り者に抱き付いた。



「遅いぞ藍染!!」



拗ねた口振りは、いつもの一護で。

違うのは裏切り者に抱き上げられているところ。

藍染を呼び捨てにしているところ。



「ね、キスして?」

―アイツにされて気持ち悪いから…。



ゆっくりと唇が重なる。


傍目から見ても分かるほど深く、そして長く。


お互いを味わうかのようにキスをする。



「…ん…ぁ…」



クチュ…と卑猥な音を立てながら、やっと離れた唇。

藍染はそのまま一護の首筋に頭を埋め、愛撫を施す。

くすぐったそうに身を捩るが、嫌がってはいない。



「黒崎サ…ン?」



唾液で濡れた一護の赤い唇が、やたらリアルで。


「嘘っスよね?」


目の前の事が理解出来ないとばかりに呟く。



そんな浦原を楽しげに見つめ、これまで見た事もないような綺麗な笑顔で。



「バイバイ?」






+++++++++++++++end++


2006/1/11


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あきゅろす。
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