WJ
月下美人【藍染×一護】
※一護ちゃんがスレてます。
月下に咲く華の如く…
【月下美人】
窓辺に座る橙色。
月の光を受けたその姿は神々しい程。
日中のような明るさは無く、突き刺すような冷たさを身に纏っている。
その子を知る者がこの場にいれば別人かと問うたはず。
闇を湛えたその姿は見る者に恐怖を与え、畏怖の念を抱かせるに違いない。
だが、目を逸らす事が出来ない程引き付けられるのも確かである。
「暇だ…。」
ポツリと落とされた言葉に抑揚は無く、返事をする者は無い。
「なぁ、何時になったら始まるんだ?暇すぎて、俺何をするかわかんないぜ?」
何もない空虚に向かい更に言葉を零す。
すると何処からともなく現れた男が、跪き恭しく頭を下げ、手の甲に口付けを落とす。
「一護様、もうしばらくの御辛抱です。」
「…藍染。」
スルリと藍染の首に腕を絡めれば、軽々と抱き上げられる。
子猫のように身を擦り寄せる姿は愛らしさしかない。
しかし、赤く可愛らしい口から零れる言葉は冷然としている。
「この世界はつまらな過ぎる。なぁ藍染?」
「もう少しですよ。我が愛しの君臨者…。」
そっと一護をベッドに横たえ、覆い被さると静かに唇を重ね、啄むように何度もキスをする。
無意識に薄く開いた唇に舌を入れれば、一護もオズオズと自ら求めるように舌を絡ませる。
何時に無く積極的な主君に驚きながらも嬉しさを隠せず、更に深く口付ける。
漸く満足した藍染が開放すれば、うっとりとした表情で楽しげに呟く。
「は…ぁ。早く始まらないかな。ゲームが…。」
始まりは直ぐそこに…。
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2006/1/8
2006/1/10 一部改訂
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