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WJ
chase〜ガトーショコラ〜
『もしもし!どないしたん?』

「いや、ギンの帰りが遅いからまた何かやらかしてるのかと思って…。」

『ん?まさか!ちょっと散歩しとるだけやよ。』

「そうか。ならいいんだ。今日の…うわっ!やちる!?」

「今日のデザートはいっちーの手作りだよ!」

『えっ?ホンマに!?すぐ帰る!すぐ帰るから!!絶対残しといてや!!』


呆気にとられた阿散井恋次を放って、ギンはその場を後にした。
(赤髪の男は命拾いした)






【chase】
〜ガトーショコラ〜





「一護ちゃん!ただいま!」

瞬歩を駆使し、まさしく目にも止まらぬ早さで帰り、真っ先にリビングに飛び込んだギンを迎えたのは四神会の幹部たち。

机の上には、空になった皿とティーカップがそれぞれの前に置いてある。

「なんだ、市丸。おせぇよ。全部食っちまったぜ?」

「美味しかったね!剣ちゃん!」

あぁ美味かった、と肩に乗ったやちるに同意する剣八を、キッと睨み付けた。

それを二人は軽く流してニヤニヤと笑う。

剣八に絡んでも仕方が無いと他の幹部に目を走らせる。

「ボクの分は!?」

「兄の分などない。」

「時間通りに帰ってこないギンが悪いんだよ。」

「市丸、残念じゃったの。」

白哉と藍染、夜一から残念だな、と言われた。

だが、3人とも本当に残念だとは思ってない。


(むしろいい気味だと思ってる)



「市丸!一護様のお作りになられた[がとぉしょこら]は絶妙な甘さと苦さで、この上なく美味だったぞ。しかもわざわざ紅茶まで入れてくださったのだ!」

夜一の隣りをちゃっかり陣取っている砕蜂からは優越感バリバリに自慢話をされる。

夜一至上の砕蜂が夜一と同様に敬い、従うのが一護だ。

その一護の手料理を食べ損ねたギンに自慢がしたくて仕方がない。

クッと悔しそうに唇を噛み締めると、ギンは一護の元に向かった。

「一護さんの手料理は本当に美味しいですわ」

「そんな事ないよ!卯の花さん」

照れながら答える一護に、ボクの分は?と控え目に聞けば、申し訳なさそうにごめんな、と謝られた。

なんでもマユリが珍しく研究室から出てきたため、数が合わなくなってしまったらしい。

(マユリだって一護が好きだから)



「ボクのがとぉしょこらが…うぅっ。」

その後、がとぉしょこら、がとぉしょこら…と呟くギンを多くの部下が見掛けたとか。



++++end++

2006/9/14


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あきゅろす。
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