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死帳 09婚約指輪


 灰の中から拾い上げたノートでした。
 顔を思い出して名前を書いて。
 それで終わりのものでした。

 ぱらりと、めくれば
あの子の名前。

「………そうか」

 なくしてしまった
あの子の名前。


 右の指に唇寄せて。



 永遠に、僕だけのもの。







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