死帳 06神の憂鬱
「
どうしてだろうな。
お前が死んで僕は楽になったはずなのに、最近良く眠れないんだ。
正直に告白すると、竜崎、僕はお前をうっとうしがってはいたが、嫌っていたわけじゃない。
楽しかった。
本当に楽しかったんだ。
あの日の、そう、少し前の夜だったかな…二人で、月を眺めたのは。
……竜崎。
竜崎。
お前は本当の名前も教えずに、僕を置いて行ったんだな。
眠れないんだ。
眠れないんだよ。
竜崎。
もっと僕を
苦しませてくれたら良かったのに。
そうしたら僕も、
お前を憎む事ができるのに 」
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