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アリア
「───素晴らしかったよ」
「せ、んせ」
「ああ、そのままで」
「せんせ、三章が」
「三章?」
「第三章が、おれ、」
まだ汗の引かない手を伸ばす。
枝の様な人差し指。
「せんせ、おれ」
夢見がちな、けれど高みの音を紡ぐ指。
「いきそうだった」
楽屋に紛れた声が届いたかは知らない。
「───せんせ」
それでもいいのだ。
ただ今は触れ合った指先で、彼の音楽と自分の音楽を、体の中で共に鳴らそう。
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