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秋の色




 遠くに見える夕陽が毒々しく赤い。薄暗い道にぽつぽつと街灯が光りはじめる。
 隼人の手の中でかさかさ鳴るビニール袋の中には、初物の秋刀魚が2尾入っている。
 隣りに並んで歩く義和が、秋風にジャケットの前を合わせた。
「秋だね」
 隼人がそっと寄り添う様に近付いて、静かに言う。義和は、ああ、と短く答えて夕暮れと夜が入り交じる空を見上げた。





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