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ジャズ

あなたは私の光。
あなたは私の愛。
あなたは私の

 すべて。



「暁皇陛下」
 窓辺の椅子に掛けて庭を見ていた国王は、錆びた鋼のような声に振り向いた。
 細面の白い顔だ。目には常に明かな光をたたえて、薄い唇には強い意志が宿っている。一見して優男だが、全身からにじむような支配者の色が神々しいほどだ。
「高間原」
「庭を御覧でしたか」
「ああ」
「御用は───」
 全身を黒銀と鉄で固めた男に、王は途端に物憂げな目を向けた。細い指が、こちらへ、と軍人を呼び寄せる。
「お前は明日をも知れぬ身だ」
 黒々とした目はいつもの強い光をひそめて、情欲に濡れている。
「───勝景」
 





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