平凡と俺様
C
「・・・でお前、今何時だと思ってる?9時半開始だと言って時間ピッタリに来る奴があるか。お前のこのデッカイ頭は飾り物だっていうのか?え?」
どうにか時間ギリギリに間に合った俺だけど、待ち構えていたのは兄ちゃんの脳味噌シェイクだった。
「う・・・あ!だあっってぇえええ・・・!」
両手で俺の頭を持って、それを手加減なしで振ってくる兄ちゃんの顔は口元が楽しそうに歪んでいて・・・ヒィ!
やっぱり兄ちゃん楽しそ〜!!!!じゃなくって!
「違・・・っ、俺!変な奴・・・っに絡まれ、て・・・っ!」
変な奴=帝臣に絡まれたのは事実で(実際最初に絡んだのは俺の方だけどさ)、そのせいで遅刻した俺がこの脳味噌シェイクの刑を受けるのはおかしいと思うのだ。
俺は無実だ!と自分を棚に上げてそう主張してやる。
「遅刻した割りに口は達者らしいなぁ・・・って、お前今何て言った?」
と、どうやらそれは功を奏したようで、兄ちゃんの動きがピタっと止んだではないか。
おお、珍しいこともあるもんだ!!!今日の星座占いもしかして俺1位だったとか?
ふぅ・・・とにもかくにも助かったぁ・・・。
・・・ってない!?兄ちゃんの手、まだ俺の頭掴んだままじゃん!
ゆ、油断は禁物だな。
ビクビクと兄ちゃんの様子を伺いながらチロリと視線を上げれば、さっきと違って真剣な眼差しが俺を見下ろしていて、俺はほっと息を吐く。
この状態の兄ちゃんなら安全だ。
笑ってる時の方が恐ろしいのだから。
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