私立月見里学園高等部
B
「改めて言わせて貰おう。俺は君のことをどうやら好きになってしまったらしい。一目惚れというのを信じるだろうか?君はそれほどに罪深く、魅力的だ。君ならきっとこの俺の上辺ではなく、俺という存在全てを好きになってくれるだろう・・・愛してるよ、新名。俺のシュガーベイビー・・・」
まるでどこかの恋愛映画の台詞みたいだ。
それを俺が、しかも男の先輩に言われてるってのが信じられないが。
俺か先輩のどちらかが女ならば恰好もついただろうが、何となく間抜けに感じるのは俺だけか?
まだいたらしいギャラリーは思わず聞き入っていたようで、はっと我に返った後、悲鳴を上げる者や、未だトリップしたままの奴もいる。
この学校の生徒は面白い奴が多いみたいだな。
思わず、といった感じで笑いが漏れて、それは一瞬だったというのに周りがはっとしたように息を呑むのが分かる。
あ、母さんたちに散々止められていたのについ笑ってしまった。
だけど、これは不可抗力だ。それにほんのちょっとだけだったし。
周りの生徒たちの動きが止まったのも一瞬だったし、その後は何事もなかったかのようにまた何かを囁きあっている。
ほら、やっぱり母さん達が言うほど”心臓に悪く”ないじゃないか。
あ、そういえばまたすっかり先輩の存在を忘れるところだった。
「ごめんなさ・・・
「ハニー!」
って・・・は!?」
とりあえず受け入れられないと、断りを入れようとすれば、がっしりと両手を掴まれ、キラキラとした目を向けられる。
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