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私立月見里学園高等部
C
「この寮は編入試験と進学試験の成績順に部屋が決められるからな。おお、A棟の201!学年トップじゃないか。偉い偉い」

 と、呼び方に困惑している俺をスルーして話は進められって学年トップ!?

そんなことは聞いてないぞ?

激励するように肩を叩かれるが、正直実感が湧かなかった。

まあ、思っていたより試験は普通だったが。

 あ、それじゃあ伊近の奴はどうだったんだろう?

中学では意外にも生徒会長を2年やっていたと言っていたから、それなりに成績はいいはず。

もしかしたら同じ部屋かもな、なんて思っていたら、小野寺さんはそんな俺の考えを見透かすように教えてくれた。

「確かイチ坊の奴は202だったぞ?まあ、隣の部屋だが仲良くしなさいよ」

 と、どこか温かい目をした小野寺さんは、俺達の家の事情のことも知っているようで、まるで自分の孫のことのように思っていてくれているのかもしれない。

もしかしたら祖父さんの茶飲み友達だったりしてな。

それはあながち外れではない気がして、自然と表情を緩めると、小野寺さんから感心したような声が上がった。

ん?もしかしてまた考えを見透かされたか?

「ニイ坊の方は大丈夫かと思ったんだが、こりゃある意味イチ坊より大変かも知れんな」

 しかしその考えは杞憂に終わったらしく、でも呟くように言われた言葉には首を傾げるばかり。

月見里の家に戻ってからというもの、こんなことが多すぎる。

しかも俺だけが分かっていないようで、でもきちんとした理由は教えてくれないから結局理解できていない。

ただ、人前で作り笑顔以外の笑顔は禁止だと言われただけだ。

 そんなに変な笑い顔でもないと思うんだけどな・・・。

微妙にショックだ。

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