Title 代わりにはなりたくない、代わりにもならない 僕は君にとって一体何なんだい? 彼の代わりだということでで配属された。あの時はそれが任務だから、だから君と同じ班になった。何にも感情なんてなかった。だってそれが僕だから。暗部の僕には――必要のないもの。 けれど今はどうだろう。 君と一緒にいて僕の中で何かが変わった。彼を見つめる君に、彼とのつながりを必死に求める君に……身体の奥からドロリとしたものが流れた。気持ち悪くてなんだかモヤモヤしててよく分からない。 「サイ…それってサスケ君に嫉妬してるのよ。」 サクラに言われた。 大分ナルト達と打ち解けた頃合いにサクラに相談してみた。本を読んでもよくは分からないし、人間の心はやっぱり人間に聞いたほうが手っ取り早いと思ったから。だけどまさか自分が嫉妬という感情を持つとは思わなかった。 ‘嫉妬’。つまり僕はナルトを――好きだというのか?あのナルトを? そうだったんだ。 ははっ…だからなんだ。何時も無意識に目で君を追っていたのは。僕が分からなくても本能は分かっていたんだ。 そうだね。 僕はナルトが――― 「―――イ!サイッ!!」 「えっ…。」 「‘えっ’じゃねぇってばよ!お前自分から言っといて全然上の空じゃんか!!」 ぶーぶーと文句を言うナルト。 「まったくよー!相談があるって言いながらなんなんだってば。」 そうだ。僕はナルトに言おうと思ったんだ。気付かされたあの日からずっと。 「ねぇナルト。」 「なんだってば?」 「僕は君にとってサスケ君の代わりのポジションに入れられた人間ですか?所詮は上辺だけの関係ですか?」 「はぁ?!」 これはとても重要なんだ。 「んな訳ねぇーよ!!お前はお前だ、サイだ!!サスケじゃなくてサイっていう1人の人間だ!上辺じゃなくって本当の仲間だってばよ!!」 顔を真っ赤にして怒鳴り付けてくれた。やっぱりナルトだからだ。惹かれるのは。だけど、 「それじゃあ、僕は君の1番になれますか?」 「ッ!どういう意味だってば?!」 「僕はナルトが好きです。」 「?!なっ!」 「好きなんです。」 真っ直ぐ目を逸らさずに。 「仲間じゃなく、1人の人間として……僕はナルトが好きです。」 先程までの勢いは何処へやら。ナルトは俯いてしまった。嫌な沈黙が流れた。 「俺にとってサイは…仲間なんだってばよ……。」 「つまり君の1番はやはりサスケ君なんだね。」 「…………。」 分かっていた、分かっていたけど納得なんて出来ない。だからなのか、感情が高ぶって口から出た言葉はサスケ君を非難していた。 「あんな糞ヤローの何処がいいんですか?力を欲するあまり里を抜け、君とのつながりを自ら断ち切った男だ。しかもサスケ君はナルトを手に…」 「サイ。」 空気が震えた気がした。ナルトのその一言だけで。僕は黙るしかなかった。 「確かに…サスケは里を抜けてった。だけど俺にとってサスケはやっぱりさ…」 顔上げたナルト。そこにあったものは― 「俺はやっぱりサスケが好きなんだってばよ!!」 太陽のように輝く笑顔だった。そう、手を伸ばして ま掴むことなど出来ない太陽そのものだった。 「サイからの気持ちも…嫌じゃないってば。でもさ…」 「分かりました。ナルトの気持ちは…よく分かったよ。」 僕も笑顔で返すよ。 「サスケ君のポジションになんてなったら僕まで糞ヤローになっちゃうからね。」 「んなっ?!お前ッ!!」 「まぁ今日はそれが言いたかっただけですから。それじゃあね、ナルト。」 捨て台詞をとナルトを残して僕はその場を後にした。なんだかナルトが何か叫んでいた気もするけど聞いてなんかやらないよ。 「はぁ…」 そりゃあ溜息も出ます。 「結局、僕は………。いや言葉に出したら完璧に認めるようなものか…。」 だけど変えようのない事実だろうね。 代わりにはなりたくない、代わりにもならない あとがき び…微妙すぎるιまずお題に合ってるかも分からない文になってしまいました。せっかくサイナルに向いた素敵なお題だと思ったのに…。申し訳ないです(-д-;)しかも初サイナルでした。いや、サスナル←サイですかね。 駄文ですみませんでした。そして最後まで読んで下さりありがとうございます。 [*前へ][次へ#] |