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小説
Cassis(前編)

初めまして
流鬼です

良かったら
仲良くしてください


登録していた
某SNSからのメッセージ


こんなやり取りにも
もう、飽きていたけれど

いつも通り
私の心は不安定で

この世の全てが
どうでもいい

そう、思っていたから
返信してみた。



ゆみです

メッセージ
ありがとうございます

こんな奴で良かったら
ぜひ、仲良くしてください



ゆみ「これでいっか、暇潰しくらいになるし…」


なんて思いながら
何通かやり取りして

いつの間にか連絡先を
交換する仲になっていた



始めての電話で
数分経った頃

流鬼「ゆみって名前さ、俺の恩人と一緒なんだ…」

ゆみ「そうなんだ…」

流鬼「だからさ、ゆみのこと、違う名前で呼んでいい…?」

ゆみ「えっ、でも…」

流鬼「じゃあ…みぃって呼ぶから」

ゆみ「わかった、いいよ」

別に、呼び方なんて
どうでもいいし

流鬼「俺さ、夜の仕事してるんだ・・・」


ゆみ「夜の仕事って、ホスト・・・?」


流鬼「うん、バンドやるための資金かな、あとは俺、一人暮らしだから。」


ゆみ「へぇー、そうなんだー・・・」


流鬼「軽蔑した?」


ゆみ「しないよ、むしろ尊敬した。」


流鬼「(ホストで尊敬する奴とか初めてだ・・・)俺、みぃに会いたい、会いにきてよ」


ゆみ「無理だよ、だって…」


…こわいよ

自傷してる、なんて
不安定になる、なんて

言ったらきっと…嫌われる


流鬼「なに?言って、大丈夫だから。俺も仕事のこと、ちゃんと言ったじゃん」


ゆみ「自傷、とか…」


流鬼「あー、俺そういうのキライ。」

ブチッ

プーップーップーッ…


思わず電話切っちゃった

ゆみ「きらい、かぁ…」


〜♪〜〜♪〜♪着信


流鬼「お前、なんで電話切るんだよ!」


ゆみ「だって、きらいって言ったから…」


流鬼「ちゃんと治したいと思ってる奴はいいの!」

ゆみ「思ってるよ…そんなの、当たり前じゃん…」


流鬼「だから、お前のこと否定してないから」


ゆみ「うん…、ありがと」


流鬼「だからさ、おはようとおやすみのメール毎日しろよ、じゃ」


ゆみ「えっ、なんry・・・」



プーップーップーッ…


ゆみサイド


うわっ、電話切れた
俺様すぎる…笑

ゆみ「なんなのよ、もう・・・」


でも、束縛は、きらいじゃない

必要とされてる気がして
どこか、安心する





流鬼サイド

あんなこと言って
大丈夫だったかな・・・

毎日メールとか付き合ってるわけでもねぇのに…

引かれてたらどうしよ

流鬼「うわー、まじやべぇ・・・」




〜♪〜♪〜〜♪〜♪受信


ゆみだよ

とりあえず、
今日はもう寝るね

おやすみなさい☆


流鬼「…メールきた」








数日後


〜♪〜〜♪〜♪着信

流鬼「俺、やっぱりみぃに会いたい」


ゆみ「でも遠いし…電車とか人とか怖い…」


流鬼「大丈夫、乗り換え1回だし、俺も駅まで迎え行くから」


ゆみ「んー…わかった」



ゆみサイド

わかったって言ったものの
不安で不安で仕方ない

でも、会いたい
会ってみたい

ゆみ「頑張ろっかな…」



流鬼サイド

緊張すんなぁ
大丈夫かな、俺…


みぃも、大丈夫かな…










数日後


流鬼サイド

ついに、
会う日がやってきた

ヤバいヤバい
緊張してきた

こういうの、仕事上、慣れてるはずなんだけど…


〜♪〜♪〜♪〜〜着信

ゆみ「あっ、着いたよー」


流鬼「まじで?駅出たら左に歩ってきて」


ゆみ「ん〜…左、左…」


流鬼「どういう服装?」


ゆみ「えーっと、黒のトップスにスカートにニーハイかなぁ…」


流鬼「ん〜…あっ、いたいた!そのまま前!」


ゆみ「あっ、流鬼さんも黒ですか?」


流鬼「そうそう、じゃあ電話、切るね」


流鬼「どうしよっかまだ夕方だしカラオケ行く?」


ゆみ「あ、うん…」









カラオケ店内到着









流鬼「よしっ、さっそく歌うぞー」


と、言って流れた歌は
ガゼットの Cassis だった


画面の作詞には
流鬼 と表示されていて

流鬼の歌なんだと確信した


流鬼「全力で歌うから、恥ずかしいからこっち見んなよ」


可愛いとこもあるじゃん

なんて言ったら
殺されるから言わない(笑)


ゆみ「うん、わかった」



流鬼「みぃも、なんか歌えば?」


ゆみ「歌手の前で歌うのはやめとく(笑)」


流鬼「んー、じゃあ一旦休憩すっかー」














流鬼「ねぇ、こっちおいで」



と、言いながら自分のヒザをポンポンしている流鬼さん


ゆみ「ん・・・?」


と、戸惑いながら
隣に座るゆみ


流鬼「ちがう、こっち。」


ゆみ「きゃっ・・・///」



流鬼の手によって軽々とヒザの上に乗せられました


流鬼「うわっ、お前軽すぎ!」


ゆみ「そんなこと、ないよ///」



流鬼「顔、赤いよ?」


ゆみ「っ・・・///」


向かい合ってる状態で

緊張しすぎて
反応できないよぉ・・・///



流鬼「キス、していい?」


ゆみ「・・・・・・・・・・・」


流鬼「今日だけ、俺の彼女になって」











ゆみ「・・・んっ・・っ・・・///」



流鬼「ごめん、我慢できなかった」



ゆみ「・・うん、大丈夫・・・///」


流鬼「やべぇ、止まんないかも」


ゆみ「ここじゃやだ・・・///」



流鬼「さすがに俺もここはやだな(笑)」





流鬼「・・・俺の家、来る?」



ゆみ「うん、もう終電なくなっちゃったし・・・」



流鬼「うっそ、まじで?じゃあ行くか・・・」












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