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君が好きだから無敵
3




「ドラコ!」

「クラリス」


広間でドラコを見つけると、クラリスはアギ達の輪を飛び出して一目散にドラコに向かった。


「……あいつらってどんな関係?」

「幼なじみだってさ」


呆れたように尋ねたアカネにアギが答える。


「ドラコ、ちょっと眠いでしょ?」


さらりとドラコの髪をなでてクラリスが言う。


「別に……。お前こそ疲れてるだろ、少し顔色が悪い」


クラリスの頬に手を寄せてドラコはぶっきらぼうに返した。


「……なんだこのベタつきっぷりは」


クラリスとドラコを見てジキルは思いっきり眉を顰めた。

ほっとけよ、と軽く宥めるとアギはスッとクラリスの向かいの席に座った。


「マルフォイ、魔法史のコツってないのか?
眠くてまともに授業が受けられない」

「僕も授業の内容なんにも覚えてないや」

「……まあこいつらよりはましだろう。起きてようが寝てようが、ちっとも頭に入りゃあしない」


2人の問いに言葉を詰まらせたドラコがグラップとゴイルを指して言った。


「確かにこいつら、頭悪そうだな」


ドラコの前に座るジキルがさらりと言ってのける。
グラップがぎろりとジキルを睨んだ。


「生意気だぞ、ガキめ」

「一つしか変わらないくせに何言ってんだ」


ハンッと笑うジキルをクラリスが止める。


「でもドラコ達はしっかり魔法が使えるんだよ!
ね、ドラコ、このフォーク浮かせてみてよ」


クラリスの言葉に、ドラコが見てろよと杖を振り上げた。


「ウィンガーディアム・レビオーサ!」


杖にあわせてフォークがふわふわ宙に浮く。


「ほらっ!すごーい!」

「ウィンガーディアム・レディオーサー!」


手をたたきはしゃぐクラリスを見てゴイルも杖を振った。

魔法を受けたスプーンはどうしてか急降下しテーブルに突き刺さる。
机が小さく割れスプーンの先も折れ曲がり壊れてしまった。


「レパロ」


アカネが手早く後始末をする。


「一年の呪文もまともに使えないやつには生意気だとか言って欲しくねえなあ」


ジキルがにやにやとグラップゴイルに言った。

2人は肩を震わせてジキルを睨んでいるがドラコは我関せずで食事を続ける。


「ジャック……」

「無理。今度は僕のこと馬鹿にするから」


止めてと言葉を続ける前にジャックはフイっと顔を背ける。


「アカネ……」

「むしろ俺も参加したい」


あいつら上級生らしくないし、とせせら笑うアカネ。


「ほっといていいんじゃないか?現にお前の兄貴分はそうしてるし」

「……そうだね」


アギに言われて、クラリスはサラダの皿をつつき始める。

スリザリンってなんだかアクの強いひとが多いな、と思わずにはいれないクラリスだった。




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あきゅろす。
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