君が好きだから無敵
3
ざわめきを増す廊下にダンブルドアを始めとする教師陣が姿を現した。
ダンブルドアは状況を冷静に判断すると興奮したフィルチをロックハートの部屋へ促す。
「そこの4人もいらっしゃい……」
「っなら僕も行く!」
ダンブルドアの言葉にドラコが言った。
ダンブルドアはドラコの必死な面もちを見て優しく微笑む。
「大丈夫じゃよ……Mr.エルブレルにはスネイプ先生がついておる」
その言葉にスネイプがピクリと反応した。
ドラコに部屋に戻るようにと告げて代わりにクラリスの肩を支える。
ドラコは不安そうにその様子を見ていたが、諦めてクラリスを見送った。
ロックハートの部屋の中でダンブルドアはミセス・ノリスが石になったことを告げた。
「こいつらがやったんだ…!!ポッターは私が出来損ないのスクイブだと知っているから…っ!」
よく事情は飲み込めなかったが猫が死んでないことがわかり、クラリスは少し落ち着きを取り戻す。
そして悲痛に訴えるフィルチを見て悲しげに眉を寄せた。
「〜〜っ待ってくれよ!僕達よりも先にこいつがあの場にいたんだぞ!?」
フィルチの怒鳴りに耐えきれなくなったロンが思わずそう言い放ちクラリスを指さす。
ハーマイオニーはこっそりロンの足を蹴りつけながら信じられないと睨みつけた。
クラリスはロンの言葉を受け再び頭が真っ白になった。
無言で俯き震えるクラリスにフィルチもカッと頭が弾ける。
「お前かエルブレル!!お前が私の猫をっ!!」
「違う!この子はそんなことしないわ!」
ガタリと勢いのまま立ち上がってハーマイオニーが訴える。
「先生、僕達が来たとき、彼は酷く怯えて驚いていたんです。彼にあんなことは出来ないと思います」
ハーマイオニーとハリーの言葉を聞いてダンブルドアはふむ、と頷く。
大丈夫だからねと優しく頭を撫でるハーマイオニーに、堪えきれずクラリスはポロリと涙をこぼした。
その様子を見てロンが罰が悪そうにごめんと呟く。
「……一言よろしいですかな」
ふとスネイプが口を開いた。
彼は袖で涙を拭ったクラリスを熱の全く宿らない瞳で見据えていた。
「彼らは単にあの場に居合わせたにすぎないかもしれません。
あの時Mr.エルブレルは我が輩の部屋で仕事を手伝っていました。長時間拘束したので改めて何か腹に入れに行ったのでしょう。
……しかし残りの三人はなぜあの場に居合わせたのか?なぜパーティーに行かなかったのか?」
スネイプの言葉に三人は絶命パーティーという聞き慣れないものの説明を始める。
必死に理解を求める三人にスネイプは冷たく言い放った。
「校長、ポッターが全てを正直に話してくれるまで、彼の権利を一部剥奪するのがよいのでは?
例えば……彼をクディッチのチームメンバーから外すとか」
「私はそうは思いません、セブルス。ポッターが悪いことをしたという証拠はないのですよ」
「そうそう……疑わしきは罰せずじゃよ、セブルス。
もう子供達を帰してもいいじゃろう……」
クラリスを引き止めてスッと目元の赤みを消すと、ダンブルドアは静かに四人を部屋へと促した。
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