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君が好きだから無敵
ハロウィン



それから数日間スネイプのもとへ通ったクラリスだが、ハロウィンパーティーの日を最後にその罰則も終わる。

クラリスは上機嫌にハロウィンの甘いご馳走を頬張ると、スネイプの部屋へと足を運んだ。



「失礼しまーす」


初日のようなビクつきはない。
スネイプの威圧感にもすっかり慣れてきたクラリスである。



「……エルブレル」

「はい?」

「今日がいよいよ罰則の最終日なわけだが」

「そうですね」

「……レポートはどうした」


地を這うような声でスネイプが尋ねる。


「あっ忘れてた……もちろんやるのをじゃなくて出すのをですよ……はい、これです」


クラリスがゴソゴソとローブを漁りレポートを取り出した。
スネイプはそれを受け取ると何も言わずに目を通し始める。


ふとスネイプがレポートを置いた。


「酷い出来だな」

「えええええ!!」


クラリスのレポートは他の生徒のレポートと先生のそれに対する見解を参考にしてあり、本人からしたら最高傑作といえる出来だった。
その上ドラコにも太鼓判を押してもらってある。


スネイプの言葉に思わず悲鳴を上げてしまいクラリスは慌てて自分の口を覆った。


「この一週間で全く成長できていませんな、Mr.エルブレル」

「うぅ……すみません……」


あまりのショックに顔を上げられないクラリス。


「よって罰則をもう一週間伸ばすことにしよう……明日からは朝、我が輩の部屋に来るように」

「はい……」


ここでチラリとでもスネイプを窺えばほんのりと顔を赤らめた珍しすぎる表情を見ることができたのだが。



「では今日の仕事に取りかかれ」

「は〜い……あの、先生。いつも思ってたんですけど……」



そういえば、とクラリスが思い出したようにスネイプに尋ねる。



「先生って夜はご飯食べないんですか?」

「……なんだ突然」

「だっていっつも僕が来るとき先生はもう部屋にいるから……。
今日だってパーティー参加してなかったでしょう?」


クラリスはすっかり手を止めてスネイプに視線を寄越している。


「……単に甘いものに吐き気がするだけだ」

「え〜!じゃあ今日はとんだ災難ですね、学校中お菓子に溢れちゃって!」


甘いものが駄目な人なんているんだ、とクラリスが目を丸くした。

スネイプはクラリスの様子に眉間のシワを更に深める。


「それ以上無駄口を叩くようなら黙らせる薬を使っても構わんのだぞ……」

「すみませんでしたー……」


パッとクラリスが視線を逸らし仕事に取り掛かる。




甘い匂いの遮断された部屋の中、二人の時間は黙々と過ぎていった。




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あきゅろす。
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