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君が好きだから無敵
2



罰則を終えクラリスがスネイプの部屋を出た。

ハロウィンパーティーはもう終わってしまっただろうか。
何か甘いものが食べたくなっちゃったんだけど。


クラリスは急いで階段を上がっていく。

そして異様な気配を感じた。

不自然に濡れた床に何だろう、とクラリスはついつい様子を見に行ってしまう。





「っ!?」



その光景にクラリスはビクリと身を固めた。

壁にかかれた血の文字。
その近くにぶら下がっていた見覚えのある猫は凄まじい形相であった。


クラリスは真っ青になって地面にずり落ちてしまった。




「っあれ見て!」



声とともに誰かがこちらに駆けてくる音が聞こえた。
クラリスはぎこちなく後ろを振り返る。


「君……!」



そこにいたのはびっくりした顔でこちらを凝視するハリーだ。
ハリーの側にいる友達も動揺したようにクラリスと猫に視線を注ぐ。


クラリスはそのまま何も出来ずにいた。
不吉な猫の死に思考を完全に止められていた。



「……ねえ、これは……」


ハーマイオニーがそっとクラリスに声をかけるが、それはパーティーを終えた生徒の楽しそうな喧騒で途切れた。

近づいてきた生徒がミセス・ノリスや壁に気づき息をのむ。
ざわざわと不穏な空気がその場を包み、クラリスは飲み込めない状況に体を震わせた。





「クラリス!!」



動きを止めたその空間にドラコの声が飛び込む。


「どうした!?一体何が……」


ドラコは人だかりを掻き分けクラリスの肩を抱き尋ねる。
壁にかかれた文字を見つけるとハッと声を上げた。



「後継者の敵よ、気をつけよ…………」


呆然と読み上げると、ドラコは何かを悟ったようにハリー達をニヤリと睨みつけた。


「次はお前達の番だぞ、汚れた血め!」



ドラコはそうだけ叫ぶとすぐにクラリスに視線を戻し、力ない体を支えて立ち上がらせる。


「どけ、部屋へ運ぶ」

「なんだ、なんだ、何事だ?」


周りに吐き捨てるマルフォイのもと、フィルチが騒ぎを聞きつけてやってきた。
そして変わり果てたノリスの姿を見つけ絶叫する。


「わたしの猫だっ!ミセス・ノリス!!
一体何があったというんだ!」




そんな哀れな叫びさえクラリスには聞こえていなかった。

ただ顔色の失せた顔を強ばらせ、ドラコの服を握りしめて震えていた。




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あきゅろす。
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