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君が好きだから無敵
2



「おっ。帰ってきたぞガリ勉が」

「ほんとだ、しかもクラリス連れてるー!たまにはいい仕事するじゃ〜ん!」


部屋に帰って来るなり2人がそう言ってくる。



「あんまりジャックを苛めないでよ」

「苛めてなんかねぇだろうが」

「あんまりジャックをからかわないで!」


ニヤニヤと言い返してくるジキルにクラリスがわざわざ言い直した。

こんな鬱陶しい奴の相手をさせて悪いな……

ジャックはクラリスを見ながらそんなことを思った。



「クラリスってジャックにばっか甘いよねー。
最愛のドラコさんよりも優先しちゃうんだ?」


何の気なしに言うアカネにクラリスはサッと表情を曇らせた。


「……今はドラコのことなんてどうだっていいの!
ねぇジャック、今のうちに課題やっちゃおう」


クラリスドラコの練習を見るためにサボろうと思っていた課題をゴソゴソと取り出した。


「僕が言うのもアレだが……本当にいいのか?」

「いいんだよ、気にしないで」



練習を見たい気持ちはあるが、ジャックとアカネに挟まれるジャックのことを考えると戻るのは可哀想だ。

クラリスはジャックの肩を叩くと並んで課題に取り組み始めた。










「ふあぁぁ……はよー、今何時……?」

「10時過ぎ」


ようやくアギが起きてきた。
まだ眠そうにゴシゴシと目を擦っている。


「んあ?なんでクラリスがいんの?もう練習終わり?」

「……わからない。結局見なかったんだ」

「そうなのか?なら今から見に行こうぜ!
昨日は思い付かなかったんだけどさ、何も朝っぱらから見に行く必要はないんだよな〜」


明るい調子でアギが言った。


そっか、別に途中からでも見れるんだよね。


クラリスはアギの言葉に大きく頷く。


「あっでもジャック……」

「大丈夫、僕も着いて行く」



興味はないけどあいつらといるよりは……とジャックが言う。


「あらそー。……僕らも行こうかジキル」

「だな。ドラコの情けない姿でも拝みに行くか」



こうして5人は仲良くグラウンドへ向かった。










「へー。結構やるじゃん、マルフォイ!」


アギが感嘆の声を上げる。
ドラコは新人シーカーにしてはなかなかの働きをしていた。

予想外な光景にアカネとジキルもその生意気な口を閉じているが……



「……クラリス?」



普段だったらキャーキャー言いながらドラコを誉めちぎりそうなものだが、クラリスはただぼんやりとドラコを目で追い掛けるだけだった。


「ひょっとして朝なんかあったの?」

「僕が行った時はなにやら揉めているみたいだったが……。
この様子だとドラコとクラリスが揉めていたのかもしれない」


ボソボソとアカネとジャックが話し合う。

ふとドラコがクラリス達の存在に気が付いた。

びっくりしたように目を見開いたのは一瞬のことで、すぐに真剣な顔つきでスニッチを探しに行く。


それから一時間ほど経つと、スリザリンのクディッチの練習は終わった。




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