目覚め 頭が痛い。 ガンガンする。 光に慣れながら少しづつ目を開けると、白で統一されている場所。 (白い部屋、白いベッド……、病院かな…?) ──ズキン、ズキン 先程から鳴り続けている頭痛。 この頭の痛みは、私には辛く耐えられそうに無かったので、もう一度寝ようとし、目を閉じる。 その時、ふと手に感じた違和感。 (何か、手に乗ってる…。) そのものが何かを確かめようとしまた目を開け、手の方を見る。 目に入ったのは、手入れのいきとどいている綺麗な手と、顔。 (──綺麗なススキ色の髪…) 隣に座って寝ていたのは、重力に反した髪型の、かわいい男の子。 (なんで手が乗ってるんだろう…) そう思い、手を離そうとし、手をゆっくり動かす。 起こさないように、と慎重にする。 「んっ…」 ──びくっ 男の子が、声を発する。 それに反応し、一瞬震える体。 どうしよう、起こしちゃった…? 「ーーーう…?」 目をゴシゴシしながら、私の方を見る男の子。 まだ眠いみたいだ。 (なんだか可愛い…) 「…っ!!!紫穂!!起きたの?!」 頭が覚醒したのか、いきなり、必死な顔をして、私に顔を近づけて聞いてくる。 「…………、」 そのとき、不思議に思った言葉。 紫穂って、誰? それにこの人、誰? ……必死に記憶を辿るが、分からない。 それどころか、今までの記憶もない。 私が誰なのか、この男の子が誰なのか…、 私が何故、ここにいるのか ナニモカモスベテ、ワカラナイ─────…… ←→ |