文芸部の日常 〜オープンハイスクール一ヶ月前〜
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『ああ〜、今日も秋晴れ、いい天気ですなあ』
『こんな時は、高所から下界を見下ろすに限るぜ』
『俺たちと同じくらいの高さにいられる奴らなんか、鳥類ぐらいのものだよな』
『ああ。……おい、あれ』
『何だ?』
『見ろよ。人間の女がこっちを見てるぜ』
『俺たちがカッコいいのか?』
『バカ、観察して楽しんでるんだよ。けっ、人間は飛べない癖してえっらそうにしてるよな』
『それは言えてる。しかしそんなに俺たちの方を見てるってことは、あの女、ひょっとして……』
『何期待してんだ。鳥と人が結ばれていいわけねーだろが。何か? 鳥と人の間に生まれた子は鳥人とでも言うのか? 汚らわしい』
『別にそこまで言ってないじゃん。ただどうしてああも熱心に見てるのかなあって』
『だから、興味本位の観察だってば! よしとけよしとけ。人間に関わるとロクな目に遭わねえ。あいつのことは忘れて、今日も糞爆弾落としにいかねえか? あいつらの反応が楽しみで楽しみでしょうがねえんだよ』
『まあ、そうしようか。――あれ? ねえ、かわいい子が舞い降りてきたけど』
『何っ?! こいつぁ見逃す手はねえな。おーい! そこのかわい子ちゃんやーい! 俺と一緒に滑空しな〜い?』
『おいっ、お前何気に抜け駆け?!』
『この阿呆者っ、ラブハントにはいつも俺は命懸けなんだよ! あっ、ちょっと待ってー!』
『阿呆者って間違ってない? 馬鹿者なんじゃ……』
『あらやだわ。またあいつなの? いつもしつこいから困っちゃうわん。逃げるに限るわね。そうね、あの木の中にでも逃げ込もうかしら』
『おーい!』
『んもうしつこい! 関わりたくないわー!』
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