[携帯モード] [URL送信]

暗陰歌集、時折明陽(『暗陰残歌』含む)
玖拾壱〜陌
玖拾壱「めよりいで」
目より出で 鼻よりも出づる水恐れ 恐々とする春の病よ


玖拾弐「さむきこと」
寒きこと例年になく それゆゑに 今年の寒さ身に染みてけり


玖拾参「きざはしで」
階で滑りて転び 足指と脛を痛めて 嬌声上ぐる


玖拾肆「あるひふと」
ある日 ふと気づくは目鼻の異な様子 つひに来たかと 苦しむ春よ


玖拾伍「いらぬもの」
いらぬ物増えて 狭まる我が間 また 重く淀むや我が身も同じ


玖拾陸「くわふんしやう」
花粉症のつもりで 過ごしてきたものの その実 風邪をひいていた事実


玖拾漆「こひねがふ」
請ひ願ふ 桜前線訪ひて 陸奥の地を淡く染むるを


玖拾捌「にぎやかに」
賑やかにさざめくところ 我一人 場違ひな気がして立ち去りき


玖拾玖「しぬべきは」
死ぬべきは 汝ではなく我のはずだのに さうはゆかぬと 進む世の中


陌「みらいある」
未来ある若き者見て 羨まし 良きに変はれと 願ふ我あり

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!