[携帯モード] [URL送信]

企画
あなたとしたい(坂田※)

----------------------------------
※どんなプレイでも許せる方のみお読み下さい。18禁です。
※リアルな行為とは程遠いドリーミングな描写です。ふわっとした感じで受け止めてください。
※どんなプレイでも許せる方のみお読み下さい。18禁です。
----------------------------------


ひょっとして銀時は、私に何をしても、どんなことを求めてもいいと思ってるんじゃないだろうか。

「やっぱりやだぁ……!」
「大丈夫だって、いいカンジに緩んできてるじゃん。ココだってじっくりやればちゃんと感じんだよ」

どうして、なんで私がこんなこと……。
うつ伏せでお尻だけ浮かされて、私はローションをたっぷりとまとった銀時の指を入れたり出したりされていた。
普段セックスで使う部分じゃない、あの、お尻の穴の方に……。
死にたい気分で枕を噛む。

排泄に使うところでセックスをしたいだなんて、銀時もどうかしてる。
そういうプレイがあるってことも、好きな人がいることも知ってる。けど、自分はいやだ。考えたこともなかった。

今日は珍しく銀時にホテルに誘われた。いつも金欠だからする時は万事屋か私の部屋なのにどうしたんだろうと思ったけど、
銀時と抱き合うのは全然嫌じゃない、むしろ大好きだから、二つ返事でOKした。
けど、銀時はホテルの部屋に入るなり、キスしながら「今日はケツの穴の方に入れさせて」なんて言ったのだ。
はじめは冗談だと思って、本気で抵抗しなかった。
笑いながら「そんなのはずかしいよ〜」なんて言ってた自分を殴りたい。
じゃれあうような愛撫が次第に濃厚に、深くなっていき、
一番敏感な部分を舌で舐めて吸われて、感じすぎてどうにかなっちゃいそうに乱れている最中、
銀時の指が重点的にソコをほぐしてくる動きにやっと、銀時は本気でそこを使ってセックスするともりだと気づいたのだ。
うつ伏せにさせられてお尻を持ち上げられても、銀時に前戯でとろとろにされた私の身体は逃げる力が全く出せず、
まさに今、されるがままの状態になっている。

「……ぅあ、……そこ、へんっ、なんかへんだから、!」
「ホラやっぱ感じてきてんじゃん」
「ちが……!」

銀時が入り口を広げるようにして指を入れてくる。
体がびくってしてしまう。指の腹でぐにぐに押された部分から、じわじわと疼く様な感覚が広がっていく。
いやだ。こんな感覚、知らなくていい。
それより、銀時がこのプレイをしたいと思っていたことに、ひどく心が苦しかった。

そりゃお互いいい年だし、私も何人かの男性と付き合ってきたけど、こんなことはしたことない。
ごく普通のセックス以外求められたこともない。
銀時だから殴る寸前で我慢してるのだ。なのに、銀時は私のことなんてお構いなしに強引に行為を進めてくる。
私の気持ちを無視して、自分の欲望を満たせれば満足なのだろうか。
こんなの銀時じゃない。
今まで付き合ってきた彼女とこういうことをしてきたから私ともしたいのだろうか。
互いにしたいと思うことなら構わない。だけど、これは私が嫌だと言ってるのに、ひどい、

「ぁ、あっ、だからそこ、やだってば! ふつうのがいい、いつもみたいに、おねがい……っ」
「んな感じてる声出して何言っちゃってんだか。――っ、ホラ」
「あ!うそ、あああっ!」

ぐぷり、と指とは比べ物にならない熱と質量を持ったものが、ゆっくりゆっくり私の中に押し入ってくる。
想像していたような痛みはない。
けれど、入り口がいきなり広げられ、かなりキツくて苦しくて、ちりちりと熱かった。

「……っ……アソコと違って締め付けてくるとこ全然違うんだな、つか名前、もーちっと力抜けって、」
「、ひ、っ、むり、っ、」

一応、気を使ってくれているのか、普通にするより腰の動きは激しくない。小刻みに、奥を丹念に突いてくる。
私の口から、堪えきれず吐息か喘ぎかわからない音が出てしまう。いやなのに、いやなのに。

「……うっ、う、ん、っ、っく」
「おーおー、あっまい声出してくれちゃってぇ、名前ちゃんも感じてくれて銀さん嬉しいわ」

ずん、といっそう深く押し込まれる。うあ、と背中が仰け反った。
正直快感はある。けれど、心がついていかない。

「〜〜〜っ、も、いや、っ、銀時なんて、きらいっ……」
「…………なんだよそれ、ってお前、泣いてんのか……?」

きらい、ともう一度言うと、少しの後にずるりと長いものが引き抜かれ、ぽろりと涙をこぼしている自分に気づいた。
それは後から後から流れてきて、今まで自分の顔を埋めていた枕を濡らす。

「やだっていったのに、こんな風に強引にするなんて最低……」
「え、もしかしておめー本気で嫌がってたわけ? マジでか。俺ァてっきり興奮煽るためにわざと嫌がってるフリしてんのかと思ってたわ」

その言葉には、本当にそう思っていたという響きがあった。
………銀時の馬鹿。バカバカバカバカ。
でも私も悪い。途中までは銀時の言ったことを冗談だと思ってて、本気で駄目だと伝えなかったのだし。

「悪ィ」と私の頬に触れてこようとした銀時の手を、私は思わず叩いてしまう。
銀時は、私が恥ずかしいから嫌がってるフリをしてると勘違いしてただけだった。
相当最低最悪で馬鹿でアホで引きちぎってやりたいくらいの勘違いだけど、
私の意思を無視してたわけではなかったことに、少し安心する自分も居た。

でも相当心を消耗してしまった私は、銀時の顔を見たくなくて背中を向けたまま体を起こす。
ふらつく私の肩を銀時が支えてくれたけど首を強く振って拒否した。
心がぐちゃぐちゃだ。もう帰る。帰るんだから。
下着を取ろうとした私の身体を、銀時が後ろから強く抱きしめてくる。

「ごめんな名前」
「………」
「悪かった」
「………………うん」

心底反省してる声の響きに、つい頷いてしまった。
この腕が好き。ぬくもりが好き。こういう優しいところが大好き。
と、思った矢先。

「今日はいきなりで驚いちまったんだよな、また今度落ち着いたらじっくりやろうぜ」
「はァ!?」

だめだこいつ、全然反省してない。っていうかどれだけア○ルセックスやりたいわけ!?
柔らかく鎮火された銀時への怒りが、さっきの数倍にもなって一気に燃え上がる。

「元カノさんはそういうの好きな人だったのかもしれないけど、私はそうじゃないから!」
「はぁ? 誰も元カノの話なんざしてねぇだろ」

……確かに。元カノさんとしたのかな、楽しかったのかな、またしたいのかな、
そう思ってるんじゃないかって勝手に考えて、勝手に怒ってる。
うう、銀時のこと言えないな、私も最低。

「おい名前!」
「名前さん!?」
「名前ちゃんお願いだから返事して!!!」

私はそれからホテルを出るまで一言も口を利かなかった。
何度も「名前」と呼びかけてくれたのに、目もあわせなかった。



「おーい、いつまで無視するつもりだよ」

ホテルを出て、川沿いの道を歩く。
こっちは万事屋の方じゃないのに、銀時はいつまで私についてくるつもりなんだろう。

「………わからない」

小さく吐き出した言葉に、銀時は少し顔を緩めた。
やっと口きいてくれた、って喜んでる。こういうとこ可愛い。

「悪かったっつってるだろ、いつまでもブスくれた面してんじゃねぇっての。皺になるぞ」

訂正。やっぱり可愛くない。

「元々は銀時が悪いんじゃない!」
「だから謝ってんだろ」
「ていうか、それで怒ってるわけじゃないから」

銀時がおもむろに私の手を掴んできた。それを振りほどこうとしても、銀時の握力には敵わない。
右に左にぶんぶんと腕を振っても、銀時の手は離れなかった。優しく笑わないで。私をそんな愛しげにみつめないで。
これだけ嫌な態度を取ってるんだから、銀時も私に腹を立てればいいのに。どうしてそんな顔をするの。

普段は銀時の笑顔は大好きだけど、今は元カノやらなんやらのモヤモヤした気持ちをなあなあでふさがれてしまいそうだから見たくない。
はたから見たら、私達は何をやってると思われるだろうか。知り合いだけには見られたくない。
そう思ってたら、

「あーっ銀ちゃん! 名前ちゃんも! 二人でしっぽりデートアルか? どっかホテル的なトコロで一発やってくるとこアルか!?」」
「ちょっと神楽ちゃんんん! 女の子がそんなこと大声で!」

眩しい夕日で近くに来るまで気づかなかったが、道の向こうから、神楽と新八と定春が歩いてきていたらしい。
銀時はまだ私の手を離してくれない。

「デートだったんだけど、私もう帰るところなの。コイツ引き取っていって」
「いやいやいや、まだデート途中だからね俺達。銀さん名前から離れる気ありませんからね」
「これからスキヤキ誘われてるネ! 銀ちゃん達くると肉が減るからまだ帰ってこなくていいアル。どっかで乳繰り合ってろヨ」
「ちょ、神楽ちゃん! さっきお登勢さんにいい牛肉入ったから、皆で食べにおいでって言われたんですよ。銀さんも名前さんも誘っておいてくれって」
「いや俺らは後で
「いく。もう行く」
「おいこらちょっと待て。この今まさに俺達の間に漂ってるぎこちなさすぎる空気を取り除かないまま行くつもりですか!?」
「銀時は取り除けると思ってるの」

私たちの間の不穏な空気を感じ取ったのか、神楽と新八と定春は、先にいってますねとそそくさと去っていってしまった。
また、再び二人きりになった途端「思ってるよ」と銀時が言った。ああさっきの会話の続きか。

「すごい自信ですねー」

ずっとふくれっ面でいる私に対して、銀時はずっとおおらかに構えて接してくれていた。
そういうところは私より大人だ。同い年なのに。私より人間が大きくて、心が広い。時々変態だけど。
ゆっくり顔を上げて銀時を見た。視線が交わるなり、ゆるりとした笑みをくれる。
胸が苦しくなって、泣きそうになる。銀時は、どうしてそんなに私に柔らかく笑いかけてくれるの。

「お前さんの可愛いやきもちくらい取り除けなくてどうするよ。銀さんちゃんとわかってますからねー」
「……やきもちって、」
「言っとっけど、俺ァ今まで散々爛れた経験してきたけどな、あれは正真正銘今日がはじめてだから」

え、と驚いて銀時の顔をまじまじと見つめる。

「どーせ元カノとヤってよかったから忘れられないんじゃ〜とか思っちゃったんじゃないの。違うからね」
「でも、普通あんなこと、」
「だよな、俺も今まではAVだけの世界で楽しんでたぜ? でも名前とならやってみてーなって思ったんだよ」
「私と……だから?」
「いやでも名前がどうしても嫌だっつーなら無理にしようなんざ思わねェけどよ。
 銀さん名前となら、一生同じ体位しかできねぇ呪いかけられても全然イケっし」
「なにその呪い。誰がかけるの」

恥ずかしいのか、銀時が「知らね」と、すいっと視線をそらして鼻先を指でかく。

「刺激がなくて物足りない、とかって浮気しない?」
「物足りなくはなんないだろーけど、………一応きいとくけど、自分の右手は浮気にはいんねーよな?」
「バカ」

思わず笑ってしまった。ほんとバカ。大好き。バカだけど。

「銀時、もっかいホテルいこう」
「どしたよ名前」
「銀時が私としたいなら、私もやだやだばっか言ってないで、楽しむ方向でがんばってみる」
「えっマジでか!?」
「でも一回してみて、やっぱりやだったらもうしない」

銀時の手を握っていたら、自然と言葉が出てきた。ぽふ、と頭に載せられる銀時の大きな手のひら。
照れくさそうに、でも視線を真っ直ぐに私に向けて笑う。

「ありがとな、でも銀さんさっきの言葉だけでじゅーぶんだわ」

うし、肉食いに行こうぜ、と銀時は静かに微笑む。
私があんなに拒否したから我慢しようと思ってるのかな。ツキンと胸が痛む。

「……したいんじゃなかったの?」
「してェよ。けど問題があんだわ。金がもうねえ」
「それは確かに大問題」

それなら仕方がない。さっきのホテル代は割りかんで出したけど、一日に二度も出すのはキツいよね。
くすりと私達は同時に笑いあった。



「なあ、今夜名前ん家行っていい?」
「いいけど」
「銀さん今日不完全燃焼だったしすっげムラムラしてんだよ」
「途中だったもんね」
「あっちの穴はまた今度のお楽しみっつーことでだな、今夜は激しく濃厚なスゲーやつしよーぜ」

いつもそうじゃない、と私がくすっと笑うと、もっとドえろいやつー、と銀時が色っぽい横顔で笑う。
私達は薄暗くなってきた道を、しっかり指と指を絡めて寄り添いあって歩き出す。

「お肉と私、どっち先に食べたい?」
「名前」

銀時にキッと真剣な顔で即答されて、声を出して笑ってしまう。
あれだけ苦しかった気持ちも、嫉妬も、怒りも、全部、笑顔の中に弾けて跡形もなく消えていく。

「家、行こう」

銀時より数歩先に行き、銀時の手を引っ張る。

あんな会話をしてたのに、銀時の笑顔には興奮も性欲もいやらしさも、
そんなものは何ひとつ浮かんでなくて、ただただあったかなものしかなくて、
改めて、この人のことを心から愛しいと思った。




□原作銀さんと同年代ヒロインで、銀さんとのちょっとハードな(マニアックな?)行為についていけないヒロイン。
 一時は気持ちまですれ違ってしまうけれどちゃんと解決。
 万事屋2人と1匹、お登勢さん、お妙さん、長谷川さん、このあたりの誰かがちらっと出演。
 行為の描写や銀さんのハード加減についてはおまかせ。

ゆり様よりいただきましたリクエストで書かせていただきましたー!
ハードでマニアック、で一番先にこの行為が浮かんでしまってですね、
時間が銀さんたち以外止まってしまった話の時、銀さんが
「結野アナのケツのアナを〜」みたいなこと言ってたじゃないですか、
ああ銀さんてあっちの方のプレイも好きなんだなー、
いつかそれを絡めた話が書きたいなー、と思っていたので、今回かけて嬉しかったです!
書きがいのある素敵なリクエストをどうもありがとうございました!

2015/11/26
いがぐり

[*前へ][次へ#]

26/28ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!